ジャマイカツチイグアナ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ジャマイカツチイグアナ
保全状況評価[1][2][3]
CRITICALLY ENDANGERED
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 爬虫綱 Reptilia
: 有鱗目 Squamata
: イグアナ科 Iguanidae
: ツチイグアナ属 Cyclura
: ジャマイカツチイグアナ
C. collei
学名
Cyclura collei Gray, 1845[3]
和名
ジャマイカツチイグアナ[4][5]
英名
Jamaican ground iguana[3]
Jamaican iguana[3][5]
Jamaican rock iguana[3]

ジャマイカツチイグアナ(牙買加土立髪竜、Cyclura collei)は、爬虫綱有鱗目イグアナ科ツチイグアナ属に分類されるトカゲ。

分布[編集]

ジャマイカ(ヘルシャイア・ヒルズ)[5]

形態[編集]

頭胴長オス35 - 43センチメートル、メス30 - 38センチメートル[5]。吻端の鱗(吻端板)と鼻孔が開口する鱗(鼻板)は間に小さい鱗が入り、接しない[5]。前額板は小型で、左右の前額板の間には小さい鱗が入らない[5]。眼の下に並ぶ鱗(眼下板)は、鼓膜までで13 - 14枚[5]。頬板は3 - 4枚で、縦に規則的に並ぶ[5]。後頭部はやや瘤状に盛りあがる[5]。頸部背面には16 - 20枚の、長い鬣状の鱗(クレスト)が並ぶ[5]。胴体背面から尾の1/3から1/4まで、クレストが発達する[5]。大腿孔は35 - 41個で、1列に並ぶ[5]。体色は緑灰色[5]。背面から側面に不明瞭な暗色の横縞が入り、側面から腹面には横縞から連続するように不明瞭な暗色斑が入る[5]。クレストは、青味をおびる[5]

生態[編集]

食性は植物食傾向が強く、主に木の葉や花、果実を食べるが、陸棲の貝類なども食べる[5]

繁殖様式は卵生。6月に、1回に6 - 20個の卵を産む[3]。卵は85 - 87日で孵化する[3][5]。母親は卵を産んだ巣穴の周囲で、約2週間までは保護する[5]

人間との関係[編集]

木炭採取などによる生息地の破壊、人為的に移入されたイヌ・ネコ・マングースなどによる卵や幼体の捕食などにより生息数は激減している[3][5]。1940年代にはジャマイカ島近辺にあるゴート諸島も含めて絶滅したとされていた[3][5]1970年にヘルシャイア・ヒルズにおいて、再発見された[3][4][5]。1977年にツチイグアナ属単位でワシントン条約附属書II、1981年にツチイグアナ属単位でワシントン条約附属書Iに掲載されている[2]。生息地では1990年に生体が捕獲され、飼育および飼育下繁殖が試みられている[4]。ある程度成長した幼体は、生息地に導入されている[3][4]

出典[編集]

  1. ^ Appendices I, II and III<https://cites.org/eng> (download 23/03/2020)
  2. ^ a b UNEP (2020). Cyclura collei. The Species+ Website. Nairobi, Kenya. Compiled by UNEP-WCMC, Cambridge, UK. Available at: www.speciesplus.net. (download 23/03/2020)
  3. ^ a b c d e f g h i j k Grant, T.D., Gibson, R. & Wilson, B.S. 2010. Cyclura collei. The IUCN Red List of Threatened Species 2010: e.T6027A12337339. https://doi.org/10.2305/IUCN.UK.2010-4.RLTS.T6027A12337339.en. Downloaded on 23 March 2020.
  4. ^ a b c d 加藤英明 「ジャマイカの自然と動物」『ビバリウムガイド』No.28、マリン企画、2005年、100-107頁。
  5. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u 太田英利 「ジャマイカツチイグアナ」『動物世界遺産 レッド・データ・アニマルズ3 中央・南アメリカ』小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著、講談社、2001年、263頁。

関連項目[編集]