シークレット・エージェントX

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シークレット・エージェントX(Secret Agent X)は、アメリカ合衆国のA. A. Wyn社から出版されたパルプ・マガジンのタイトル、および同誌でフィーチャーされたメインキャラクターの名前である。1934年2月から1939年3月までに41号が刊行された。

本作はブラント・ハウスのハウスネーム(複数の作家が共同で用いるペンネーム)で、複数の作家によって書かれた。第一作はポール・チャドウィック(Paul Chadwick)によるもので、彼は少なくとも15編のストーリーを執筆している。また、G・T・フレミング=ロバーツ(G. T. Fleming-Roberts)、エミール・C・テッパーマン(Emile C. Tepperman)、ウェイン・ロジャース(Wayne Rogers)らが執筆していることも明らかになっている。

物語中で、主人公シークレット・エージェントXの正体は、決して明らかにされることはない。 彼は「千の顔を持つ男(the man of a thousand faces)」として知られる変装の達人である。

彼は合衆国政府直属の潜入捜査官であり、彼のクライム・ファイターとしての活動は警察機関には知らされていない。警察からは単なるアウトローだと認識されており、彼の本当の役割は新聞記者のベティ・デール(Betty Dale)とワシントンにいる正体不明の指揮官K-9しか知らない。

シークレット・エージェントXの物語は一応、犯罪ものとジャンル分けされているが、未来的な武器やマッドサイエンティストの登場のようなSF的要素も多く含まれる。

また非常にセンセーショナルなタイトルでも知られる。例えば「破滅の使者(The Ambassador of Doom)」(1934年5月)、「髑髏の召使(Servants of the Skull)」(1934年11月)、「黄金の屍食鬼(The Golden Ghoul)」(1935年7月)、「悪魔のシンジケート(Satan’s Syndicate)」(1937年8月)、「真紅の大群(Crimson Horde)」(1938年9月)などである。

この時期、シャドー(The Shadow)やグリーン・ラーマ(Green Lama)、オペレーターNo.5(Operator No.5)などのようにシークレット・エージェントXとほぼ同様なパルプ・ヒーローが頻出している。テッパーマンやロジャーズのような作者は、シークレット・エージェントXとほぼ同じストーリーを「オペレーターNo.5」誌のために執筆している。

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