シャトー・ラギオール

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シャトー・ラギオールChâteau Laguiole )は、フランスティエール1850年創業[1][2]と長い歴史を持つ、洋食器・刃物メーカーのスキップ[2][注釈 1]SCIP[1]が所有するソムリエナイフのブランドである。

スキップは高級ナイフとワインオープナーを専門に製造していたが、1994年現在[2]の当主レオナール・サナジュスト[1]Leonard Sannajust [2])の代になって、1978年から[1]ソムリエナイフも製造するようになった[1]。レオナール・サナジュストによると、ヨーロッパ中のソムリエの10人に7人がスキップ製品を使っているというが、その大部分は安価な実用品である[1]

その後ソムリエであるギ―・ヴィアリス(Guy Vialis )の協力を得て、プロ用ソムリエナイフに必要な機能とラギオールナイフの美しい形状を併せ持つシャトー・ラギオールを1993年に発売した。ティエール伝統の手工芸的製法を守っているため、どう頑張っても1日100丁が限度だという[1]

3年に一度選ばれる「ソムリエ世界一」にデザインを依頼しており、商品のバラエティーが豊かである。そのためプロが用いるだけでなくコレクションもされている。

※正規輸入品には日本総輸入元・総販売元発行の3年間保証書が付いている(TASAKIスペシャルは1年間保証)。

特徴[編集]

ラギオールで作られる刃物がデザイン上からも実用上からも最も優れていたことに由来する。19世紀初頭、この村には農作業に使用する道具を作る鍛冶職人はいたものの刃物製造の産業はなかったため、19世紀末頃からは刃物文化の中心であるティエールでラギオールナイフは作られるようになった。その後、1985年前後、ラギオール村出身の人々が集まり、ラギオール村で自分たちのラギオールナイフを持とうという動きがあり、工場を共同で作り、それが成功すると他の会社もラギオール村に起業した。しかし、もともと鍛冶の町ではないので、全てのパーツ(刃やハンドルなど)をティエールから買ってラギオール村に建てた工場ではその組み立てのみを行っている。

一つ一つの部品を吟味、工程の約80%を熟練職人によって仕上げられている。最も有用なスクリュー部分は丁寧に手作りされ、挿入しやすく、またハンドルも持ったときの感触が柔らかく、1日に何十本ものボトルを開けるソムリエも疲れず、指が痛くならずに使えるように作られている。コルク抜栓時にかかる薬指、小指等への荷重、手の平全体にかかる荷重を研究し、人間工学デザインと、味のある天然素材(水牛の角・各種木材など)の融合から生まれるハンドルなどにより、耐久性としなやかさを持ち合わせ、歴代の世界ナンバーワンのソムリエ達に愛用されている。

価格は2011年8月現在2~5万円くらいである。

世界ソムリエコンクール入賞者モデルはジェラール・バッセ(Gerard Basset)モデル、アンドレアス・ラッソン(Andreas Larsson)モデル、エンリコ・ベルナルド(Enrico Bernardo)モデル、オリビエ・プシェ(Olivier Poussier)モデル、エリック・ボーマール(Éric Beaumard)モデル、マルクス・デル・モネゴ(Markus Del Monego)モデル、TASAKIスペシャルモデル、セルジュ・デュブ(Serge Dubs)モデル、ジョゼッペ・ヴァッカリーニ(Giuseppe Vaccarini)モデル、ヘンドリック・トマ(Hendrik Thoma)モデルの10種類ある。

似た名前の商品[編集]

シャトー・ラギオールの成功後、フランス国内で一般的なナイフなどを作っていた競合会社達が、こぞって自分たちのラギオール風のソムリエナイフを作り始めた。現在数十社がラギオール風のソムリエナイフを作っており、世界中の様々なマーケットで似たような商品を見ることができる。「プロ用の機能と、ラギオールナイフの美しい形の融合」のアイデアはスキップが先駆者である。ただしラギオール風の形という文化は誰のものでもないので、後発の商品も全く同じものを故意に作らない限りコピーとは言えない。

村名であるラギオール[注釈 2]Laguiole)は登録商標にはならないため、その後この名前を使ったソムリエナイフがいくつか発売され、村のシンボルである「蝿[1]マーク」も意匠を変えて使っているメーカーがあり、日本でも「ライヨール・ナイフ」「セパージュ・ラギュオール」「オーブラック・ラギュオール」が販売されている。

注釈[編集]

  1. ^ 『世界のロングセラー』p.129は「シップ」と読ませている。
  2. ^ 標準語の発音でラギオールまたはラギュオール、地元で使われるオック語でラヨールまたはライヨール。

出典[編集]

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  1. ^ a b c d e f g h 『世界のロングセラー』pp.127-129。
  2. ^ a b c d 公式ウェブサイト。

参考文献[編集]

外部リンク[編集]