エミリ・アテフ

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エミリ・アテフ
Emily Atef
Emily Atef
2018年、ベルリン国際映画祭にて
生年月日 1973年
出生地 西ベルリン
国籍 フランスの旗 フランス
職業 映画監督脚本家
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エミリ・アテフ (Emily Atef, 1973年 - )は、ドイツフランスイランにルーツを持つ映画監督脚本家である。国籍はフランス。2001年よりベルリン在住。

経歴[編集]

イラン人の父とフランス人の母のもと、西ベルリンに生まれた。兄が1人いる。7歳の時に家族とロサンゼルスに引っ越すが、13歳で学校に通うため単身フランスへ渡り、1993年バカロレアを取得。その後、ロンドンで女優として活動していたが、2001年ドイツ映画・テレビアカデミー・ベルリン(dffb)で演出を学び、2005年に修了する[1]

初の長編映画『Molly’s Way』は、ミュンヘン映画祭で脚本共同執筆のエスター・ベルンシュトルフとともに最優秀脚本賞を獲得、作品もマール・デル・プラタ国際映画祭において審査員特別賞を受賞した。続く『Das Fremde in mir』は、産後鬱を取り上げた作品で、カンヌ国際映画祭の批評家週間でプレミア上映されたほか、シュトゥディオ・ハンブルク新人賞、サンパウロ国際映画祭最優秀賞など、様々な賞を受賞した。長編3作品目となった『Töte mich』はブラッドフォード国際映画祭で最優秀ヨーロッパ映画賞を受賞した。2016年には公営放送ARDのテレビ映画『Königin der Nacht』、2017年には同じくARDのテレビ映画『Wunschkinder』を監督、家族をテーマにした両作品はどちらも2018年のグリム賞にノミネートされている[2]。続くテレビ映画作品『Macht euch keine Sorgen』は19歳の息子がシリアへ渡りISISに加わったことを知る父親についての物語で、2017年ホーファー・フィルムデーズでのプレミア上映を経て2018年に放映された[3]

2018年の長編映画『ロミー・シュナイダー 〜その光と影〜』でアテフは、脚本と監督を担当している。物語は女優ロミー・シュナイダーの実話に基づいており、スポットライトの中のスター女優として、母親でもある私人として、ふたつの顔に引き裂かれる女性の葛藤を描いている。ドイツ・オーストリア・フランスの合作である『ロミー・シュナイダー 〜その光と影〜』は第68回ベルリン国際映画祭でコンペティション部門に出品され、同2018年のドイツ映画賞において、最優秀作品賞、監督賞、主演女優賞ほか、7部門に渡る受賞の快挙を遂げる[4]

作品[編集]

エミリ・アテフ(2018年、ベルリン国際映画祭にて)
  • From XX to XY. Fighting to Be Jake (2002) 監督、短編映画
  • Sundays (2003) 監督・脚本
  • I Love You, I Kill You (2004) 監督・脚本
  • Asyl (2004) 監督
  • Molly’s Way (2005) 監督・脚本
  • Das Fremde in mir (2008) 監督・脚本
  • Töte mich (2012) 監督・脚本
  • Wunschkinder (2016) 監督、テレビ映画
  • Königin der Nacht (2017) 監督、テレビ映画
  • ロミー・シュナイダー 〜その光と影〜 3 Tage in Quiberon (2018) 監督・脚本
  • Macht euch keine Sorgen (2018) 監督、テレビ映画

出演のみ[編集]

  • Marseille (2004)

受賞歴[編集]

  • 2005年:ミュンヘン映画祭 - 最優秀脚本賞(『Molly’s Way』、共同執筆のエスター・ベルンシュトルフと共に) 
  • 2006年
    • ボゴタ映画祭 - シルバー・プリコロンビアン・サークル(最優秀映画賞)、(『Molly’s Way』)
    • マール・デル・プラタ国際映画祭 - 審査員特別賞(『Molly’s Way』)
    • トルコ・ドイツ映画祭 - 最優秀作品賞(『Molly’s Way』)
  • 2008年
    • マール・デル・プラタ国際映画祭 - SIGNIS賞(『Das Fremde in mir』)
    • オルデンブルク国際映画祭 - ドイツ・インディペンデンス賞(最優秀ドイツ映画賞および観客賞)およびオットー・シュプレンガー賞(『Das Fremde in mir』)
    • サンパウロ国際映画祭 - 国際審査員賞(最優秀作品)(『Das Fremde in mir』)
  • 2015年:ベルリン国際映画祭 - Eurimages Co-Production Development Award(カーステン・シュトェーターと共に)
  • 2018年:ドイツ映画賞 - 最優秀監督賞(『ロミー・シュナイダー~その光と影~』)

脚注[編集]

  1. ^ "Ich kann unterschiedliche Regeln für Männer und Frauen nicht akzeptieren" ZEITmagazin ONLINE(ドイツ語)
  2. ^ Der Fernsehfilm „Wunschkinder“ im Ersten Aktuelle Nachrichten online 2017年1月25日(ドイツ語)
  3. ^ ARD-Film „Macht euch keine Sorgen“: Hallihallo – ich bin jetzt beim IS! taz 2018年4月11日(ドイツ語)
  4. ^ Frische Luft auf der Durststrecke Tagesspiegel 2018年4月28日(ドイツ語)

外部リンク[編集]