ウォーキートーキー

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ウォーキートーキー(: walkie-talkie)とは、持ち運べる、コンパクトでバッテリーで作動するトランシーバー[1]

トランシーバーというのは大きな据え置き型のものから小さなものまでサイズはいろいろあるが、そのなかでも、特に携帯用につくられた、サイズがコンパクトで、バッテリーで作動するタイプだけをこう呼んでいる。

ウォーキートーキーの特徴は、半二重通信であること(つまり基本は受信状態である装置で、送信状態を選んでいる間は受信できず一方的に話す形になり、送信を終えるとまた受信状態に戻り、交互に送信しあうことで会話を成立させる方式)、およびプッシュ・ツー・トーク(送信時にはボタンを押す方式)が主たる特徴である。

歴史[編集]

最初のウォーキートーキーは第二次世界大戦時に陸軍で使用するために開発され、戦後に救助隊や商業用途などで広範に使用されるようになった。

1940年モトローラ社の前身ガルビン社が開発した最初の背負い式送受信機SCR-300は愛称が「ウォーキートーキー」で、周波数変調採用を発案したダン・ノーベルほか主任電波技術者のヘンリック・マグヌスキ、マリオン・ボンド、ロイド・モリス、ビリー・ヴォーガルが開発チームメンバーである。

第2次世界大戦中、モトローラ社は振幅変調を採用した携帯型ハンディートーキー (略称:HT) SCR-536も生産しており、SCR-300ウォーキートーキーに比して性能は低いが片手保持で使用可能な筐体で、両機とも真空管を高電圧乾電池で駆動する。1951年5月22日、モトローラ社により特許商標局登録ナンバー71560123で合衆国国内適用として、ハンディートーキーが商標登録され、他の無線機製造会社は携帯型無線機にその呼称を使用できない。

現在の状況[編集]

ウォーキートーキーは警備、軍事、イベント運営、野外活動等、幅広い分野で使用されている。20世紀まではアナログ方式が主流だったが、近年では周波数利用効率の高いデジタル方式へ移行しつつあり、DTMFキーボードで中継局へトーン信号送出、VOX (Voice Operation Control) で送受信自動切り替え、ハンズフリーオペレーションなど多彩な機能搭載と小型軽量化の進捗が著しい。

玩具としてのウォーキートーキー[編集]

低出力形式は無免許運用可能で玩具として普及している。北米の玩具用ウォーキートーキーは、27MHz市民バンド2ch水晶で送信出力100mW未満、新機種は49MHz帯FM方式でコードレス電話や乳幼児監視装置と周波数帯を分け合っている。最低価格帯商品は1周波数水晶式が多い。


使用法(半二重通信での会話)[編集]

無線機を使ったことが無い人には、「半二重通信」という中途半端なものでどうやって会話を成立させることができるのか、さっぱり理解できない可能性もあるので、念のために解説する。

分かりやすくなるよう、まず2台で使う場合、しかも(基本形の)送信時にはボタンを必ず押すタイプについて説明する。ウォーキートーキーは電源を入れた状態では、基本的に受信状態になっている。どちらかが相手に話しかけたくなったら、《送信ボタン》を押したまま(電話の受話器の口側に向かって話すように)話しかける。なるべく簡潔に短い文章で話を終えて、話を終えると同時に必ずボタンから指を離す(これが大切)。ボタンから指を離すと同時に、自機は受信状態へ戻り、相手には「ジッ」や「ズッ」などと短いノイズが聞こえる(その音が、送信が終わったことを示す合図ともなっている)。そのノイズでこちらの送信が終わったことを相手が感じ取り、相手も送信ボタンを押して何か言う。その声がこちらの機のスピーカーから聞こえるのでその話を聴く。相手の話が終わり短いノイズが聞こえたら相手の送信が終わった合図なので、もしこちらもまた何か話したかったら送信ボタンを押して話す。このようなことを繰り返すことで会話を成立させる。

3台以上でも使える。同一周波数に設定すれば複数台で使える。基本的に全員が受信状態になっていて、誰かが送信ボタンを押して話しはじめると、残りの全員にその声が聞こえる。特定の者に話しかけたい場合は、送信ボタンを押して相手の名前を呼んでから話をすれば、いったい誰に向かって話をしたいのか、全員に分かる。話が終わったら短いノイズが聞こえるので、応答したい者が送信ボタンを押して応答する。

基本的に同一チャネルである瞬間に話せるのは、ただ一人だけ。誰かが話している間は、その人がその周波数(チャネル)を独占してしまう形になる。また自分が送信している間は、自分のウォーキートーキーのスピーカーから他の人の声は全く聞こえない。相手の表情も見えない。したがって、他の人たちがこちらの話を本当に聴いて了解・同意しているのか、それともその瞬間はほかごとに気をとられて聞こえていないのか、それとも聞こえた上で実は同意しておらず反論したがっているのか、さっぱり分からない。だからウォーキートーキーを使う場合は、(たとえ自分の側に言いたいことが沢山あっても、まとめて言うことはあきらめて)基本的にはワンフレーズを言うごとに一旦送信を終えて送信ボタンからすぐに指を離して受信状態に戻すことで、相手の反応(「了解」だとか「いいえ」だとか「今は手が離せません」とか「そりゃ、無理です」など)を確認する。

近年では、ボタンを押さなくても、話す声に反応して(まるで送信ボタンが押されたかのように)自動的に送信状態になる機能を備えた機種も増えている。そのタイプではヘッドセットを使いウォーキートーキーをポケットなどに入れたり腰に装着したりすれば、ウォーキートーキーのために手を一切つかわずに済むので、両手を空けておく必要がある業務では便利である(ただし便利な反面、たまたま目の前に現れた人にそのまま話しかけると、その声が、ウォーキートーキー経由でチャネルを聞いている人全員に聞こえてしまい、きわめてプライベートな話などが同僚に筒抜けになってしまうことも起きがち)。

その他[編集]

イギリスのロンドンにある超高層ビル「20フェンチャーチ・ストリート」(英語版)は、形状が上側ほど広いためウォーキートーキーと呼ばれる。

脚注[編集]