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アーベルの総和公式(アーベルのそうわこうしき、英: Abel's summation formula)は、級数の変形に関する公式の一つである。
部分和分の一種で、級数の大きさの評価に用いられる(この公式による級数の変形を単に部分和分ということもある)。
数列 と実数 に対し、
その総和を と定める。
また関数 が において微分可能とする。このとき
が成り立つ。
より一般に、 が において微分可能なとき
が成り立つ。
この定理はアーベルの級数変形法の特殊な場合である。
また、リーマン=スティルチェス積分の部分積分の公式でもあり、リーマン=スティルチェス積分を使って
とも表される。
証明については Apostol, 第3章および第4章 や Hardy-Wright, 第22章を参照。
調和級数 について、 とおくと より
が成り立つ。このことから
となる定数 γ が存在することが分かる。この定数 γ はオイラーの定数といわれる。