アフリカの軍事クーデターの一覧

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2023年8月時点のアフリカで成功したクーデターの国別の数。

アフリカの軍事クーデターの一覧（アフリカのぐんじクーデターのいちらん）は、20世紀以降のアフリカ地域内での成功した軍事クーデターの一覧。この一覧では20世紀以降、正規軍の全体または一部によって起こされ、権力が軍に移行したものを挙げる。一覧は年代別に早い順に並べる。

アフリカでクーデターが多発している理由としては、物資の供給不足や、反政府勢力の拡大、給与のトラブルなどが挙げられる[1]。1960年代から1990年代にかけて、政治的安定が達成できていない国が多かった[2]。しかし、冷戦が終わり政治の民主化が進んだ1990年代からはクーデターの発生は減少傾向にある[2]。

発生する要因[編集]

アフリカ内では、列強によるアフリカ分割によって民族の居住地域が分断され、民族間の対立が激しい[3]。また、資源保有国が多いアフリカは資源の呪いにより生活が困窮している[4]。世界では生活困窮の打破を期待され、クーデターにより設立された軍事政権は支持を集める傾向にある[5]。軍事政権は国民の生活の安定と政治の改善を唱えるが、多くは目的が果たされない[2]。

クーデターの多くは、権威主義から民主主義に移行する過程で、既得権益を失う軍部が起こしている[6]。アフリカの多くの国は権威主義体制下にあり、政権を打倒するクーデターは国民の支持を受けやすい[6]。軍事政権は生活の安定と政治的改善を約束するが、多くの場合目標が達成されない[2]。アフリカ連合（AU）はアフリカのクーデターに加盟停止など厳しい措置をとっているが、収まることはない[7]。

一覧[編集]

20世紀[編集]

1960年前後は「アフリカの年」と呼ばれ、植民地支配から脱却した[8]。独立したばかりの国々はクーデターの危機にさらされ、1970年から1980年までがクーデターのピークであった[9]。その後、1990年の冷戦の終了により一時的にクーデターが多発した[9]。1960年前後に成立した民主主義機構はクーデターによりほとんど消滅した[10]。

1950年代[編集]

1960年代[編集]

1970年代[編集]

1980年代[編集]

1990年代[編集]

21世紀[編集]

21世紀に入り、クーデターは長期的には減少傾向にある[9]。2012年や2021年は一時的にクーデターが増加している[9]。特に西アフリカでクーデターが増加しており[48]、軍事費も増加傾向にある[49]。2019年から2023年の3年間にかけて起きたクーデターは8回で、いずれの軍政も民政移管を拒んでいる[50]。

2000年代[編集]

2010年代[編集]

2020年代[編集]

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b 「マリでクーデターか、大統領が拘束後に辞任 政府と議会も解散」『BBCニュース』。2023年7月29日閲覧。
  2. ^ a b c d Tanaka, タナカショウ Sho (2022年4月7日). “西アフリカ：なぜクーデターが多発しているのか”. GNV. 2023年7月29日閲覧。
  3. ^ “外務省: わかる！国際情勢 Vol.19 アフリカにおける紛争の現状と平和構築～PKOセンターへの支援”. www.mofa.go.jp. 2023年7月29日閲覧。
  4. ^ “外務省: わかる!国際情勢 金属鉱物資源をめぐる外交的取組～ベースメタルとレアメタルの安定確保に向けて”. www.mofa.go.jp. 2023年7月29日閲覧。
  5. ^ “「軍事政権だって、いいじゃない」という学生たち：朝日新聞GLOBE＋”. 朝日新聞GLOBE＋ (2020年5月15日). 2023年7月29日閲覧。
  6. ^ a b “「クーデターの時代」のアフリカ（後編）：クーデターの連鎖を止めるには？”. 国際情報ネットワーク分析 IINA. 2023年9月2日閲覧。
  7. ^ “AU（アフリカ連合）の安全保障政策―ASEANと日本への示唆”. 国際情報ネットワーク分析 IINA. 2023年9月2日閲覧。
  8. ^ onafrica (2010年1月4日). “1960-2010: 50 years of ‘African independences’” (スペイン語). 2023年8月28日閲覧。
  9. ^ a b c d “アフリカにおけるクーデターの再来？”. 理論研究部政治・法制研究室. 2023年8月28日閲覧。
  10. ^ “第 5 章　アフリカにおける民主化の現状と支援のあり方”. 国際協力機構. 2023年9月2日閲覧。
  11. ^ a b “2つのエジプト革命”. 日本国際問題研究所. 2023年8月28日閲覧。
  12. ^ “TOGO PRESIDENT IS SLAIN IN COUP; REBELS TAKE OVER; Olympio Shot Down at Gate of U.S. Embassy--5 of His Ministers Arrested EXILE IN GHANA CALLED Meatchi Named Successor --Tension Over Insurgents Laid to Nkrumah Regime Coup Called Successful Kennedy Praised Him TOGO PRESIDENT IS SLAIN IN COUP Some Ministers Escape Quiet Restored in City” (英語). The New York Times. (1963年1月14日). ISSN 0362-4331. https://www.nytimes.com/1963/01/14/archives/togo-president-is-slain-in-coup-rebels-take-over-olympio-shot-down.html 2023年8月28日閲覧。 
  13. ^ “Sounds in the Night”. time. 2008年12月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年8月28日閲覧。
  14. ^ “USA/Africa: New Data on Murder of Lumumba, 08/01/02”. www.africa.upenn.edu. 2023年8月28日閲覧。
  15. ^ “アルジェリア基礎データ”. Ministry of Foreign Affairs of Japan. 2023年8月27日閲覧。
  16. ^ “１９６６年、アフリカ独立運動の指導者として知られるガーナの…：東京新聞 TOKYO Web”. 東京新聞 TOKYO Web. 2023年8月28日閲覧。
  17. ^ a b c d “ウガンダ基礎データ”. Ministry of Foreign Affairs of Japan. 2023年8月27日閲覧。
  18. ^ “Archives Foccart: la France et le coup d’Etat de Bokassa” (フランス語). RFI (2016年2月26日). 2023年8月28日閲覧。
  19. ^ a b “Nigeria - The 1966 Coups, Civil War, and Gowon's Government”. countrystudies.us. 2023年8月28日閲覧。
  20. ^ a b “トーゴ共和国基礎データ”. Ministry of Foreign Affairs of Japan. 2023年8月27日閲覧。
  21. ^ “History of Sierra Leone”. www.worldrover.com. 2023年8月28日閲覧。
  22. ^ a b c “マリ基礎データ”. Ministry of Foreign Affairs of Japan. 2023年8月27日閲覧。
  23. ^ “リビア基礎データ”. Ministry of Foreign Affairs of Japan. 2023年8月28日閲覧。
  24. ^ a b c “スーダン基礎データ”. Ministry of Foreign Affairs of Japan. 2023年8月27日閲覧。
  25. ^ “独立後、軍事独裁体制に：時事ドットコム”. 時事ドットコム. 2023年8月28日閲覧。
  26. ^ “CHAPTER ONE THE SECURITY SERVICES”. ガーナ政府. 2006年10月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年8月28日閲覧。
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  28. ^ “エチオピア革命異聞 | 取材ノート | 日本記者クラブ JapanNationalPressClub (JNPC)”. 日本記者クラブ JapanNationalPressClub (JNPC). 2023年8月27日閲覧。
  29. ^ ByReuters (1975年7月30日). “Gowon Ousted in Nigeria; Coup Ends Nine‐Year Rule” (英語). The New York Times. ISSN 0362-4331. https://www.nytimes.com/1975/07/30/archives/gowon-outsted-in-nigeria-coup-ends-nineyear-rule-gowon-deposed-as.html 2023年8月28日閲覧。 
  30. ^ a b “チャド基礎データ”. Ministry of Foreign Affairs of Japan. 2023年8月27日閲覧。
  31. ^ a b “ガーナ基礎データ”. Ministry of Foreign Affairs of Japan. 2023年8月27日閲覧。
  32. ^ “赤道ギニア基礎データ”. Ministry of Foreign Affairs of Japan. 2023年8月28日閲覧。
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  36. ^ “中央アフリカ基礎データ”. Ministry of Foreign Affairs of Japan. 2023年8月28日閲覧。
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  38. ^ Ap (1983年8月6日). “13 KILLED IN COUP IN UPPER VOLTA” (英語). The New York Times. ISSN 0362-4331. https://www.nytimes.com/1983/08/06/world/13-killed-in-coup-in-upper-volta.html 2023年8月27日閲覧。 
  39. ^ “1983: Power seized in armed coup” (英語). BBC News. https://www.bbc.com/news/av/world-africa-11405111 2023年8月27日閲覧。 
  40. ^ Ap (1984年12月13日). “MAURITANIA COUP OUSTS PRESIDENT” (英語). The New York Times. ISSN 0362-4331. https://www.nytimes.com/1984/12/13/world/mauritania-coup-ousts-president.html 2023年8月27日閲覧。 
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  42. ^ Ap (1987年11月7日). “A COUP IS REPORTED IN TUNISIA” (英語). The New York Times. ISSN 0362-4331. https://www.nytimes.com/1987/11/07/world/a-coup-is-reported-in-tunisia.html 2023年8月27日閲覧。 
  43. ^ “Remembering Algeria 1992: The first Arab spring that never became a summer” (英語). Middle East Eye. 2023年8月27日閲覧。
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  47. ^ “13 コートジボワール”. 外務省. 2023年8月28日閲覧。
  48. ^ “2022年の注目点（10）アフリカの政治・治安動向の振り返りと展望 | 地域・分析レポート - 海外ビジネス情報”. ジェトロ. 2023年8月28日閲覧。
  49. ^ 『世界地図 2023年版』成美堂出版、1月10日 2023、60頁。 
  50. ^ “アフリカでクーデター頻発＝過去３年で８回、民主主義後退”. 時事通信ニュース. 2023年9月2日閲覧。
  51. ^ “中央アフリカ基礎データ”. Ministry of Foreign Affairs of Japan. 2023年8月27日閲覧。
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  53. ^ “マダガスカル共和国 JICA国別分析ペーパー JICA Country Analysis Paper”. 独立行政法人国際協力機構. 2023年8月28日閲覧。
  54. ^ “ニジェールでクーデター、「民主主義の回復を」”. www.afpbb.com (2010年2月19日). 2023年8月27日閲覧。
  55. ^ “マリでクーデター、反乱軍が大統領府占拠 憲法停止表明”. www.afpbb.com (2012年3月22日). 2023年8月27日閲覧。
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  57. ^ 「ジンバブエで兵士が放送局占拠、クーデター観測も 「大統領は無事」」『Reuters』、2017年11月15日。2023年8月27日閲覧。
  58. ^ 日本放送協会. “「スーダン 政変の背景と今後」（ここに注目！）”. 解説委員室ブログ. 2023年8月27日閲覧。
  59. ^ “アルミ相場急伸、西アフリカ・ギニア政情不安で原料の供給懸念強まる”. Bloomberg.com (2021年9月6日). 2023年8月27日閲覧。
  60. ^ 「スーダン軍が政権掌握、非常事態を宣言 抗議デモ隊に死者も」『Reuters』、2021年10月25日。2023年8月27日閲覧。
  61. ^ 「ブルキナファソ、軍が全権掌握 将校が発表」『BBCニュース』。2023年8月27日閲覧。
  62. ^ “ブルキナファソでクーデター発生、2022年に入り2度目(西アフリカ、ブルキナファソ、フランス、アフリカ) | ビジネス短信 ―ジェトロの海外ニュース”. ジェトロ. 2023年8月27日閲覧。
  63. ^ “クーデターから1カ月 ニジェール、周辺国と対立深化 鍵はロシアに”. 毎日新聞. 2023年8月27日閲覧。
  64. ^ “ガボンでクーデター　大統領を軟禁、選挙無効―半世紀の独裁崩壊”. 時事ドットコム. 時事通信社. (2023年8月30日). https://www.jiji.com/jc/article?k=2023083000655&g=int 2023年8月31日閲覧。 

外部リンク[編集]

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