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Modern Monetary Theory (MMT もしくは Modern Money Theory)とは不換紙幣を通貨単位として用いることによる過程と結果とを特に分析する経済学の理論のひとつ。ここでいう不換紙幣とは、例えば政府発行紙幣が挙げられる。Modern Monetary Theoryの主張は次のようなものである。すなわち、「金融的に独立した政府は通貨の独占的な供給者であり、物理的な形であれ非物理的な形であれ任意の通貨単位で通貨の発行(デノミネーション)を行うことができる」。そのため政府は将来の支払いに対して非制限的な支払い能力を有しており、さらに非制限的に他部門に資金を提供する能力を持っている。そのため、政府の債務超過による破綻は起こりえない。換言すれば、政府は常に支払うことが可能なのである」[1]

Modern Monetary Theoryは政府によって作られた不換紙幣が自国通貨として使われているような近代経済を扱う。独立した金融システムにおいては、中央銀行は通貨を発行することができるが、紙幣発行のような水平的な取引は資産と負債とで相殺されるためネットの金融資産を増やすわけではない。「政府のバランスシートにおいてあらゆる政府発行の通貨代替物は資産として計上されない。政府は政府独自の通貨を所有しないのである。あらゆる政府発行の通貨代替物は負債として計上される。政府支出によりこのような通貨代替物は作られ、課税・公債発行によりこのような通貨代替物は消えていく。」[1] 赤字支出に加えて、株価の上昇などによる評価効果もネットの金融資産を増加させうる。Modern Monetary TheoryではVertical moneyは政府支出を通じて還流の過程に入るとする。課税および法定通貨の負債を返済・減少させる能力は不換紙幣を通貨として成立させ、このことが「強制力を持つ民間の納税義務」という形で通貨そのものに対する需要を創出し、通貨に価値を与える。加えて、罰金、各種料金、ライセンスが通貨への需要を創出する。この「通貨」とは、政府によって発行される通貨でもありうるしユーロのような外国通貨でもありうる[2][3]。民間の現行通貨への信頼と需要という前提のもとで実施される現行の納税義務が現行通貨の価値を維持しているのである。政府は政府自身の意志に基づいて(独自)通貨を発行することができるため、 Modern Monetary Theoryは政府支出(政府の赤字支出もしくは黒字予算)に関連する課税水準は政府が政府活動の資金を集めるための手段ではなく、実際には政策手段であり、これを用いてインフレ失業率を操作することができると主張する。 Template:経済学の学派

関連項目

脚注

  1. ^ a b Éric Tymoigne and L. Randall Wray, "Modern Money Theory 101: A Reply to Critics," Levy Economics Institute of Bard College, Working Paper No. 778 (November 2013).
  2. ^ Mosler, Warren. "Soft Currency Economics", January 1994
  3. ^ Tcherneva Pavlina R. "Chartalism and the tax-driven approach to money", in A Handbook of Alternative Monetary Economics, edited by Philip Arestis & Malcolm C. Sawyer, Elgar Publishing (2007), ISBN 978-1-84376-915-6

参考文献

外部リンク