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==カリウムの特性==
==カリウムの特性==
生体必須元素である関係上、成人で約140g程度の一定量が常に体内に保持され排泄調整される。カリウム中のK40の割合も一定であるため、カリウムの摂食量に関わらず成人で約4000ベクレル程のK40を体内に一定に保持し続けることになる<ref>http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_Key=09-01-01-07</ref>。体内のカリウムの量は人体の[[ホメオスタシス]]によってほぼ一定に保たれているため、バナナを食べても内部線量が大きく増えることはない。放射性物質によ被曝の仕方大きく異なるので、摂食量のベンチマークとして用いるのは適当ではない。
生体必須元素である関係上、成人で約140g程度の一定量が常に体内に保持され排泄調整される。カリウム中のK40の割合も一定であるため、カリウムの摂食量に関わらず成人で約4000ベクレル程のK40を体内に一定に保持し続けることになる<ref>http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_Key=09-01-01-07</ref>。体内のカリウムの量は人体の[[ホメオスタシス]]によって一定に保たれているため、バナナを食べても長期的に内部線量が増えることはない。排泄により常に一定量に保たれいる訳ではない、非必須元素であ放射性同位体の摂食量のベンチマークとして用いるのは全く適当ではない。


==その他の食品==
==その他の食品==
[[ジャガイモ]]、[[インゲン豆]]、[[種実類|ナッツ]]、[[ヒマワリ]]の種はカリウム含有量が多いため、当然自然放射能をやや多く持っている<ref>{{PDFlink|http://www.councilforeconed.org/ei/lessons/lesson3/lesson3activity3.pdf}}</ref>が、これらはバナナと同様に放射能的には無害であると考えることが出来る。最も自然放射能が多いといわれる作物はブラジルナッツで、1kgあたり244.2ベクレルが測定された例がある<ref>{{cite web|url=http://www.orau.org/PTP/collection/consumer%20products/brazilnuts.htm|title=Brazil Nuts|date=2009-01-20|author=Oak Ridge Associated Universities|accessdate=2011-06-28}}</ref>。これはラジウムの蓄積による部分があるため、カリウムの場合とは同一に考えることは出来ない。ラジウムはカリウムとは異なり人体の必須物質ではないため体内濃度の調整は行われず、吸収されたラジウムの一部は骨内部に不均一に分布する。骨に入れば長く残留、蓄積され、骨をα線で被曝させる。体内のラジウムの量は1.1ベクレルであり、1ベクレルが骨の中に存在し、(通常は)1日の摂取量は0.1ベクレル以下とされている<ref>{{cite web|url=http://cnic.jp/modules/radioactivity/index.php/17.html|title=原子力資料情報室(CNIC) - ラジウム-226(<sup>226</sup>Ra)|author=古川路明|work=原子力資料情報室 (CNIC)|accessdate=2011-09-28}}</ref>。
[[ジャガイモ]]、[[インゲン豆]]、[[種実類|ナッツ]]、[[ヒマワリ]]の種はカリウム含有量が多いため、当然自然放射能をやや多く持っている<ref>{{PDFlink|http://www.councilforeconed.org/ei/lessons/lesson3/lesson3activity3.pdf}}</ref>が、これらはバナナと同様に放射能的には無害であると考えることが出来る。最も自然放射能が多いといわれる作物はブラジルナッツで、1kgあたり244.2ベクレルが測定された例がある<ref>{{cite web|url=http://www.orau.org/PTP/collection/consumer%20products/brazilnuts.htm|title=Brazil Nuts|date=2009-01-20|author=Oak Ridge Associated Universities|accessdate=2011-06-28}}</ref>。これはラジウムの蓄積による部分があるため、カリウムの場合とは同一に考えることは出来ない。ラジウムはカリウムとは異なり人体の必須物質ではないため体内濃度の調整は行われず、吸収されたラジウムの一部は骨内部に不均一に分布する。骨に入れば長く残留、蓄積され、骨をα線で被曝させる。体内のラジウムの量は1.1ベクレルであり、1ベクレルが骨の中に存在し、(通常は)1日の摂取量は0.1ベクレル以下とされている<ref>{{cite web|url=http://cnic.jp/modules/radioactivity/index.php/17.html|title=原子力資料情報室(CNIC) - ラジウム-226(<sup>226</sup>Ra)|author=古川路明|work=原子力資料情報室 (CNIC)|accessdate=2011-09-28}}</ref>。

==放射性セシウム137/134との比較==
セシウム134(半減期2.06年)を10000ベクレル経口摂取すると預託実効線量は190μSv(0.19ミリシーベルト)になる。セシウム137(半減期30.1年)を10000ベクレル経口摂取すると預託実効線量は130μSv(0.13ミリシーベルト)になる。暫定基準値(500bq/kg)のセシウム137で汚染された食品を、1年間毎日100g食べ続けると、セシウム137によって237.25μSv(0.23725ミリシーベルト)内部被曝することになる。セシウム137の1gあたりの放射能は約3,200,000,000,000Bqである<ref>[http://cnic.jp/modules/radioactivity/index.php/13.html ]</ref>。自然状態の存在比(0.0117%)ではカリウム1g中に放射能強度が30.4ベクレルのカリウム40が存在する。セシウムの体内挙動はカリウムと類似しているとされているが<ref>[http://cnic.jp/modules/radioactivity/index.php/12.html ]</ref>、カリウム1gをセシウム137の1gに置き換えると約3,200,000,000,000Bqの放射能が増加することになる計算である。人体中には放射能強度が約4000ベクレルのカリウム40が存在する。飲食で人体中に取り込まれるカリウム40は、1日あたり約50ベクレルであるが、人体中の余分のカリウムが排出されるのに伴って1日あたり約50ベクレルが排出される。カリウム40の半減期は12.8億年、生物学的半減期は30日、ベータ線とガンマ線を放出する。カリウム40による年間の被曝線量は約170μSv(0.17ミリシーベルト)である<ref>[http://cnic.jp/modules/radioactivity/index.php/4.html 原子力資料情報室 カリウム40 ]</ref><ref>[http://search.kankyo-hoshano.go.jp/food2/Help/yotaku_guide_keisan.html 預託実効線量の計算方法]</ref>。


==脚注==
==脚注==

2012年1月22日 (日) 22:02時点における版

バナナ等価線量(バナナとうかせんりょう、: Banana Equivalent Dose, BED)とは、一本のバナナを食べたときに受ける線量を表す単位であるとされている[要出典]

バナナ100gあたりのカリウム含有量は360mg[1]。カリウム1gあたりのカリウム40天然存在比0.0117%、半減期12.8億年)は30.4Bq。カリウム40を経口摂取したときの実効線量係数は6.2×10-9Sv/Bqである[2]。 したがって、可食部分が150gと大きめなバナナ一本を基準とすれば、これ一本を食べたときの実効線量が約0.1μSvとなるため、指標として利用しやすいというのである。

カリウムの特性

生体必須元素である関係上、成人で約140g程度の一定量が常に体内に保持され排泄調整される。カリウム中のK40の割合も一定であるため、カリウムの摂食量に関わらず成人で約4000ベクレル程のK40を体内に一定に保持し続けることになる[3]。体内のカリウムの量は人体のホメオスタシスによって一定に保たれているため、バナナを食べても長期的に内部線量が増えることはない。排泄により常に一定量に保たれている訳ではない、非必須元素である放射性同位体の摂食量のベンチマークとして用いるのは全く適当ではない。

その他の食品

ジャガイモインゲン豆ナッツヒマワリの種はカリウム含有量が多いため、当然自然放射能をやや多く持っている[4]が、これらはバナナと同様に放射能的には無害であると考えることが出来る。最も自然放射能が多いといわれる作物はブラジルナッツで、1kgあたり244.2ベクレルが測定された例がある[5]。これはラジウムの蓄積による部分があるため、カリウムの場合とは同一に考えることは出来ない。ラジウムはカリウムとは異なり人体の必須物質ではないため体内濃度の調整は行われず、吸収されたラジウムの一部は骨内部に不均一に分布する。骨に入れば長く残留、蓄積され、骨をα線で被曝させる。体内のラジウムの量は1.1ベクレルであり、1ベクレルが骨の中に存在し、(通常は)1日の摂取量は0.1ベクレル以下とされている[6]

放射性セシウム137/134との比較

セシウム134(半減期2.06年)を10000ベクレル経口摂取すると預託実効線量は190μSv(0.19ミリシーベルト)になる。セシウム137(半減期30.1年)を10000ベクレル経口摂取すると預託実効線量は130μSv(0.13ミリシーベルト)になる。暫定基準値(500bq/kg)のセシウム137で汚染された食品を、1年間毎日100g食べ続けると、セシウム137によって237.25μSv(0.23725ミリシーベルト)内部被曝することになる。セシウム137の1gあたりの放射能は約3,200,000,000,000Bqである[7]。自然状態の存在比(0.0117%)ではカリウム1g中に放射能強度が30.4ベクレルのカリウム40が存在する。セシウムの体内挙動はカリウムと類似しているとされているが[8]、カリウム1gをセシウム137の1gに置き換えると約3,200,000,000,000Bqの放射能が増加することになる計算である。人体中には放射能強度が約4000ベクレルのカリウム40が存在する。飲食で人体中に取り込まれるカリウム40は、1日あたり約50ベクレルであるが、人体中の余分のカリウムが排出されるのに伴って1日あたり約50ベクレルが排出される。カリウム40の半減期は12.8億年、生物学的半減期は30日、ベータ線とガンマ線を放出する。カリウム40による年間の被曝線量は約170μSv(0.17ミリシーベルト)である[9][10]

脚注

  1. ^ miwa-mi. “カリウムの多い食品と食品のカリウムの含有量一覧表”. 簡単!栄養andカロリー計算. 2011年6月28日閲覧。
  2. ^ 古川路明. “放射能ミニ知識 4. カリウム-40 (40K)”. 原子力資料情報室 (CNIC). 2011年6月28日閲覧。
  3. ^ http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_Key=09-01-01-07
  4. ^ http://www.councilforeconed.org/ei/lessons/lesson3/lesson3activity3.pdf (PDF)
  5. ^ Oak Ridge Associated Universities (2009年1月20日). “Brazil Nuts”. 2011年6月28日閲覧。
  6. ^ 古川路明. “原子力資料情報室(CNIC) - ラジウム-226(226Ra)”. 原子力資料情報室 (CNIC). 2011年9月28日閲覧。
  7. ^ [1]
  8. ^ [2]
  9. ^ 原子力資料情報室 カリウム40
  10. ^ 預託実効線量の計算方法

関連項目