麺切包丁
麺切り包丁(めんきりぼうちょう)は薄く延ばした麺の生地を麺の形に切るために特殊化した包丁。うどん切り、蕎麦切りなどとも呼ばれる。
うどんや蕎麦の生地は原料となる小麦粉や蕎麦粉に水を加えこねた物を薄く平たく伸ばし、数段に折り重ねられる。これを切って長い麺に加工するため、麺切り包丁は刃渡りが長く、柄の下まで刃が伸びている。また、まな板との隙間を生まないように刃に全くそりがなく、切っ先もない。麺を切るときは麺の上に乗せたガイドとなる板(こま板)などに沿って動かし、小刻みに麺を切っていく。この運動を助けるために重く作られている。刃の前端部分にも刃が付けられているが、これは切るためではなく切った後の麺をすくいとるスクレーパの役割を持たせているためである。
刃面が広いため、研ぐのには時間がかかる。新品の麺切包丁を手に入れてから使い勝手がよいようになるまで、職人によっては3ヶ月を要すると言う。
形は薄刃包丁や中華包丁と似ているが、これらの包丁はこの包丁と違い取っ手の下まで刃がない。