鸚鵡返文武二道
鸚鵡返文武二道(おうむがえしぶんぶのふたみち)は、江戸時代後期に恋川春町によって著された黄表紙。寛政元年(1789年)刊。全3巻。
概要
親交のある朋誠堂喜三二の『文武二道万石通』の続編を意図して執筆された。『文武二道万石通』が松平定信の寛政の改革(文武奨励策を含む)を批判する内容であり、同書を引き継いで寛政の改革を批判した上、そのタイトル・文章表現は定信の『鸚鵡言』を風刺している。
その過激な内容に同年4月に春町は定信から出頭を命じられるが、病気を理由に隠居してこれに応じず、7月に没しているために、春町はこの問題を理由に自殺したとする見方がある。
あらすじ
延喜の御代に補佐の任にあった菅秀才は武芸を奨励するが、人々が武勇を誇って洛中で騒動を繰り広げる。そこで大江匡房[1]を招いて聖賢の道を講じさせるが、その内容を勘違いした人々が再び洛中で騒動を引き起こす。
脚注
- ^ 史実では大江匡房は醍醐天皇・菅原道真より200年後の人物である。
参考文献
- 水野稔「鸚鵡返文武二道」(『日本史大事典 1』(平凡社、1992年)ISBN 978-4-582-13101-7)
- 林菫一「鸚鵡返文武二道」(『日本歴史大事典 1』(小学館、2000年) ISBN 978-4-095-23001-6)