陳 (姓)
陳氏(ちん し)は、中国河南省周辺を発祥とする、台湾、韓国、ベトナム、日本などのアジア全域に分布する姓の一つ。
司馬遷の『史記』などの史書は、西周時代の侯国陳の公族の本姓は嬀(女偏に爲)で、舜の後裔から出たものであると記録している。陳の発祥は、紀元前1127年、周の武王が舜の末裔であった陶器匠・嬀満を胡公に冊立して、陳(現在の淮陽)の土地を与えたことから始まる。
陳は周の王室が任命した諸侯国ではあったが、周りの強国に圧迫されたため、領土と勢力は建国初期から滅亡時期まで成長することが出来なかった。
紀元前478年、陳が滅亡し、その末裔たちは強国の勢力によって四分五裂され、改姓して数多の家門を建てて分家した。嬀姓を中心の家門が成立したのはこの時のことである。そんな中で、亡国になった母国の名を姓とした人たちがあり、その末裔たちが現在の陳氏である。現在、陳国の正統家流として公認されている家門は、舜以後の系譜が確実に残っている中国の頴川陳氏一族だけである。
驪陽陳氏は南宋で右尹を歴任し、外賊の侵略から逃すため高麗に帰化した陳琇(陳莠)の曾孫で、仁宗の外戚李資謙の叛乱を討伐した功労で現在の洪城である驪陽(여양)の土地、驪陽君の爵位を受けて、大将軍を歴任した陳寵厚を始祖としている。
広東陳氏の本貫たる広東は現在の中国の広州であり、慶長の役の時明の総大将として朝鮮に来た陳璘を始祖としている。明の滅亡以後、明の再興運動に参加した長男が、運動が失敗した直後朝鮮に帰化して定着したのが広東陳氏の発祥とされている。