長澤真澄
来歴
外交官だった父の仕事のため、5歳から10歳までオランダで暮らす。日本に帰国後、ハープを渡辺万理、桑島すみれに師事。17歳の時にマースリヒト音楽院に留学し、フィア・ベルグハウトのもとで学ぶ。同音楽院のソリスト試験を最高点で卒業し、続いて優れた演奏家に与えられる特別賞「Prix d'Exellence」を受ける。マラ・ガラッシにシングルアクションハープを師事。
ヨーロッパでの活動
ソロ・コンサートの他にコンセルトヘボウ室内管弦楽団、ケンブリッジ・セントジョーンズカレッジ合唱団などとソリストとして共演。また、欧州各地での音楽祭に招かれ演奏。2004年と2008年には世界的なメゾソプラノ歌手チェチーリア・バルトリのツアーに参加。
日本での活動
オーケストラとの共演やリサイタルの他に、「題名のない音楽会21」「Music Soul」(共にテレビ朝日系)などテレビやラジオにも度々出演している。
近況
18世紀後半から19世紀中ごろまでのレパートリーを開拓し、シングルアクションハープを中心とした活動に力を入れている。この楽器ではソロやアンサンブルの他、フライブルク・バロックオーケストラ、バルタザール・ノイマンアンサンブルなどのバロックオーケストラとも演奏している。日本ではフルート奏者の有田正広と共演している。
演奏会のほかCD製作も精力的に行っている。オランダのレーベルからもCDを発表している。特に、エトセトラから発売されているシングルアクションハープのシリーズは、自ら企画を手がけている。
2008年9月にはパリで行われたリリー・ラスキーヌ国際ハープコンクールで審査員を務める。
モーツァルト 初期ソナタ
CD「モーツァルト&ペトリーニ:初期ソナタ集」では、モーツァルトが9歳の時にオランダで作曲した「ヴァイオリン伴奏付きクラヴサンのための6つのソナタ」(KV26-31)を、当時使われていたシングルアクションハープで演奏している。これは、作曲された翌年にパリで出版された楽譜に「この曲はハープでも演奏できる」と記されていることを基に演奏し録音された世界初のCDである。
受賞歴
- 音楽新聞社主催村松賞音楽部門大賞
教鞭
ディスコグラフィー
- はるかなる国エーリン(東芝EMI CZ32-9069)
- 響宴(東芝EMI TOCZ-9110)
- 天使の祭典(東芝EMI TOCZ-9179)
- 朝の詩(うた)(東芝EMI TOCZ-9267)
- 夜の詩(うた)(東芝EMI TOCZ-9246)
- ファー アンド アウェイ(東芝EMI TOCT25578) ベスト盤
- モーツァルト:フルートと管弦楽のための作品全集 有田正広(指揮/フラウト・トラヴェルソ)、長澤真澄(シングルアクションハープ)東京バッハ・モーツァルト・オーケストラ、寺神戸亮(コンサートマスター) (COGQ-21-22)
- Amuse(Etcetera KTC1263)
- Grand Desserts (The world of J.L.Dussek) with Richard Egarr (fortepiano) (Etcetera KTC1270)
- Souper Galant with Alfredo Bernardini (baroque oboe) (Etcetera KTC1293)
- Amusette Douce Seven sonatas by Naderman on Naderman single-action harp 1815(Etcetera KTC1341)
- L'arome de L'est Harp Music from Eastern Europe and beyond (Etcetera KTC1362)
- "モーツァルト&ペトリーニ:初期ソナタ集" 寺神戸亮(バロック・ヴァイオリン) (Etcetera KTC1404)
- Deux à Deux with Teunis van der Zwart (natural horn) (Etcetera KTC1430)
- “Madame et Monsieur Dussek” (Etcetera KTC1439)
- "Jan Ladislav Dussek Duos for Harp and Piano Forte" with Richard Egarr (fortepiano) (Etcetera KTC1436)