血道弓

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ディプロドクスの血道弓
ロンドン自然史博物館のディプロドクス・カルネギィの尾椎には属名の由来となった二股になった血道弓が確認できる。

血道弓(けつどうきゅう、: chevron)は、恐竜、およびカンガルーマナティーのような幾つかの哺乳類尾椎の腹側に並ぶ、棒状のの総称。

種によって大きさや形、個数は様々である。例えば、ディノニクスなどのディノニコサウルス類では、血道弓が伸長して堅い棒状の尾の形成に寄与している[1]。全ての鳥群も血道弓と神経棘が前後に伸長している[1]。また、恐竜の血道弓が尾椎の下で癒合する一方、首長竜の血道弓は左右に分かれており、佐藤たまきはその特徴を判断材料にしてむかわ竜(後にカムイサウルスと命名)の尾椎を首長竜ではなく恐竜のものであると推測した[2]

主な機能は、神経血管のような重要な部分を保護する事であると考えられる。

出典

  1. ^ a b デイヴィッド・E・ファストヴスキーデイヴィッド・B・ウェイシャンペル 著、藤原慎一・松本涼子 訳『恐竜学入門 ─かたち・生態・絶滅─』真鍋真監訳、東京化学同人東京都文京区千石3丁目36-7、2015年1月30日、p. 186,213頁。ASIN 4807908561ISBN 978-4-8079-0856-1NCID BB17901360OCLC 904989280全国書誌番号:22535495 
  2. ^ 日本で見つかった “パーフェクト恐竜” むかわ竜~これが恐竜王国ニッポンだ!”. NHK札幌放送局. NHK (2018年9月28日). 2019年9月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年2月2日閲覧。

参考文献