葱油餅

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葱油餅
繁体字 蔥油餅
簡体字 葱油饼
発音記号
標準中国語
漢語拼音cōng yóu bǐng

葱油餅(ツォンユーピン)とは、小麦粉で作った生地にを塗り、ネギの細片を具として巻き込んで焼いた中華料理北京料理として知られるほか、台湾料理など他の地域でも食べられており、類似したものはzh:蔥抓餅などとも呼ばれている。屋台の商品として売られていることが多い。

作り方は、以下のとおりである。まず、小麦粉をぬるま湯または水で練って生地を作り、麺棒で薄く広げる。ついで、生地にを振って味付けし、油を塗って、みじん切りにしたネギを散らす。端から生地を巻き、細い棒状になるようにする。棒状になった生地を、油がこぼれないよう両端を留めてから、ひねりながら棒の縦方向に潰し、さらに麺棒で円盤状に伸ばす。あるいは、棒状の生地を渦巻き状に巻いて円盤にしてから、麺棒で伸ばす方法もある。最後に、円盤状になった生地を、熱した鉄板フライパンで焦げ目が付くように焼く。屋台では、焼きあがった葱油餅に放射状に切り込みを入れて、三角形に切り分けて供することが多い(画像参照)。

生地に油を塗ってから、巻いたりひねったりすることで、薄い層が重なったパイのような構造になる。これにより、発酵させない生地であっても、焼いても固くなりすぎないで済む。もっとも、生地に酵母を加えて発酵させる作り方もあり、その場合は焼餅の一種とも言える。

なお、葱油餅はピザの起源であるという俗説がある[1]。中国を訪れたマルコ・ポーロが、イタリアに帰国後に葱油餅の再現をしようとし、出来たのがピザだったと称する。もっとも、ピザの歴史はマルコ・ポーロが訪中した13世紀よりも古いと考えられ、実際には両者は無関係である。

参考資料

  • ウー・ウェン『ウー・ウェンの北京小麦粉料理』(高橋書店、2003年)

関連項目