膿栓
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膿栓(のうせん、Tonsillolith)とは、咳をした時などに喉の奥から飛び出してくることのある小さな球状の塊。潰すと悪臭を放つ。扁桃栓子(へんとうせんし)、また特に石灰化し硬くなったものは扁桃結石(へんとうけっせき)とも呼ばれる。
原因・特徴
喉の奥にある口蓋扁桃(扁桃腺)をはじめとした咽喉内の扁桃は、進入してくる細菌やウイルスなどを殺し、体内への侵入を防ぐ働きがある。この扁桃の表面にある腺窩と呼ばれる小さな穴に、剥脱上皮、リンパ球や白血球、細菌塊、炎症性崩壊産物、脂肪酸、コレステリン、燐酸石灰、食物残渣などが溜まることにより形成される。大きなものでは直径3~5mm程度、色は薄黄色、黄緑色または乳白色をしており、潰すと下水道が逆流した際のような強い臭気を放つ。喉の構造や扁桃腺の形状などにより、体外排出に個人差はあるが、膿栓自体は誰でも持っているものである。
また、特に冬は空気が乾燥し、細菌の付着した塵やほこりが舞い上がりやすくなるため、膿栓の量が多くなる、または大きめの膿栓が形成される傾向にある。
対策など
歯周病などの心当たりもないのに口臭が気になる場合、膿栓をチェックしてみた方がよい。膿栓そのものが人体に悪影響を及ぼすことはないが、口臭を発生させる原因であるため、発生を抑えるに越したことはない。これが口腔内にあるとなにかこびりついたような感覚をおぼえる。予防方法として、茶(緑茶や紅茶など)でうがいをする(口腔内の汚れを除去すると同時に、茶のカテキンが細菌の増殖を抑制する)、歯をしっかり磨いて食べカスなどを除去するという方法がある。
偶発的には、激しい咳やくしゃみなどで出ることがある。自分の舌を使って強引に取ることも可能であるが、かなりの練習を必要とする。
膿栓を取り除く際は、へたに自分でとろうとすると、扁桃腺や粘膜を誤って傷つける恐れがあるため、耳鼻咽喉科などで除去してもらう方が良い。
なお扁桃腺を切除することで膿栓が全く出なくなることが多い。