細胞融合
細胞融合 (cell fusion) は、二つ以上の細胞が融合して一つの雑種細胞となる現象である。
概要
細胞融合は、二つ以上の細胞から一つの雑種細胞が形成される現象である[1][2]。同種細胞どうしはうまく融合しやすいが、異種の細胞融合も起こる。
細胞融合は、筋肉、骨および栄養膜細胞の分化、胚発生および形態形成の期間に起こる重要な細胞過程である[3]。これは、生体の成長において、細胞の機能を維持するために必須である[4]。また、受精時の生殖細胞や溶解ウィルス感染においてよく観察される。これには形態変化、液胞形成、および合胞体形成のための細胞融合も含む。
細胞融合現象は、1957年に岡田善雄によって発見された。この時、センダイウイルス (HVJ) に細胞を融合させる作用があることを見出した。現在までに人工細胞融合が可能となり、品種改良やモノクローナル抗体の生産などに利用されている。ウィルスを介するだけでなく、プロトプラスト-PEG法や電気刺激によっても細胞融合を起こし目的の細胞を作ることができる。
関連項目
参考文献
- H. Harris: Cell fusion, 1970, Harvard University Press, Mass.
- R. Borgens et al.: Cell Fusion and some subcellular Properties of heterokaryons and hybrids, Journal of Cell Biology, VOLUME 67, 1975, pages 257-280
脚注
- ^ www.ncbiotech.org/biotech101/glossary.cfm
- ^ www.fao.org/docrep/003/X3910E/X3910E06.htm
- ^ http://herkules.oulu.fi/isbn9514269306/html/x1210.html
- ^ Mesothelioma Settlement - lawyer, attorney, law, lawsuit - Legal Glossary