篠岡古窯跡群

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ファイル:Shinoka Koyosekigun.JPG
桃花台中央公園にある解説板
篠岡47号窯跡移設展示施設

篠岡古窯跡群(しのおかこようせきぐん)は、愛知県小牧市にある丘陵地帯(旧・篠岡村)に分布している古窯跡郡の総称である。

概要

学術的な分類としては、尾北古窯跡群に属する。最初に古窯跡が見つかったのは、1973年5月。愛知県新興住宅地(現在の桃花台ニュータウン)を整備しようと土地の造成を行なった時である。現在までに117基が見つかっている。そのほとんどが丘陵地の斜面を利用して作られており、古いもので7世紀頃、新しいもので12世紀のものが見つかっている。また7世紀~9世紀にかけておもに須恵器が、9世紀~11世紀にかけては灰陶器[1]や緑釉陶器[2]が、11世紀~12世紀にかけては山茶碗などが生産されていた。 この辺りの陶磁器生産は12世紀頃に衰退。その後生産されなくなっているが、その理由としては「社会構造の変化」や「この辺りで産出される原料となる粘土の不足」などが考えられている。

年表

  • 7世紀 - 須恵器の生産開始
  • 8世紀 - 須恵器生産の最盛期
  • 8世紀~9世紀 - 一時生産が途絶える
  • 9世紀 - 須恵器の生産再開
  • 9世紀末 - 灰釉陶器の生産開始
  • 10世紀 - 緑釉陶器の生産開始。灰釉陶器生産の最盛期。
  • 11世紀末 - 山茶碗の生産へと移行
  • 12世紀 - 衰退
  • 1968年8月21日 - 愛知県が桃花台ニュータウンの建設計画を発表
  • 1973年5月 - 用地造成開始。古窯跡群が発見される。

施設

篠岡111号窯跡
  • 篠岡47号窯跡移設展示施設 - 桃花台ニュータウン中央部にある桃花台中央公園内に整備された展示施設。元々、現在の展示施設がある場所の南西側[3]にあったものをこの地に移設し、展示した。作られた年代は、850年900年。しかし10世紀台には、使われなくなっている。他の古窯跡と比べると出土品が多く、中でも灰釉陶器が多数出土した。
  • 篠岡111号窯跡 - 桃花台ニュータウン南東部の緑地内にある古窯跡。7世紀末~8世紀初頭のものと考えられている。所在地は、小牧市光ヶ丘4丁目にある御嶽神社の横。1990年に発見され、1995年に小牧市教育委員会によって試掘調査が行なわれた。その後掘り起こされた部分は埋められ、現在は周りを石垣で囲われた状態で、保存されている。

関連書籍

  • 『篠岡古窯址群』小牧市教育委員会編(1972年
  • 『桃花台ニュータウン遺跡調査報告』愛知県建築部編(1976年
  • 『桃花台ニュータウン遺跡調査報告2』愛知県建築部編(1979年
  • 『桃花台ニュータウン遺跡調査報告3』愛知県建築部編(1981年
  • 『桃花台ニュータウン遺跡調査報告4』愛知県建築部編(1982年
  • 『桃花台ニュータウン遺跡調査報告5』小牧市教育委員会編(1984年
  • 『桃花台ニュータウン遺跡調査報告6』愛知県建築部編(1984年)
  • 『桃花台ニュータウン遺跡調査報告7』愛知県建築部編(1991年

関連項目

脚注

  1. ^ 読みは「かいゆうとうき」。
  2. ^ 読みは「りょくゆうとうき」。
  3. ^ 現在はマンション駐車場となっている。

外部リンク