社会的ジレンマ
社会的ジレンマ(しゃかいてきジレンマ、social dilemma)とは、社会において、個人の合理的な選択(すなわち個人的合理性)が社会としての最適な選択(すなわち社会的合理性)に一致せず乖離が生ずる場合の葛藤(ジレンマ)を言う。
例えば、バスに乗る際運賃という負担を払わずに済むならば、個人にとっては払わない事(非協力行動)が合理的な選択となる。しかし皆がそのような選択を行った場合は、社会的合理性を実現するはずのバス運行そのものが成り立たなくなる。またこの場合はもし敢えて一人だけが負担を払ってもほぼ大勢に有効な影響を与えることはなく、単なる負担のみに終わり社会に対してそれが生かされることが生じない。同種の問題は、教室の掃除、路上駐車、環境問題、投票行動まで、多岐に渡る。
関連項目
文献
- 社会的ジレンマ:「環境破壊」から「いじめ」まで、山岸俊男、PHP研究所、2000、ISBN 978-4569611747
- Dawes, R. M. (1980) 'Social dilemmas', Annual Review of Psychology 31, 169-193.