社会的ジレンマ

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社会的ジレンマ(しゃかいてきジレンマ、social dilemma)とは、社会において、個人合理的選択社会としての最適な選択に一致せず乖離が生ずる場合の葛藤ジレンマ)を言う[1]

社会的ジレンマの例[編集]

例えば、バスに乗る際運賃という負担を払わずに済むならば、個人にとっては払わない事(非協力行動)が合理的な選択となる。しかし皆がそのような選択を行った場合は、社会的に最適な選択を実現するはずのバス運行そのものが成り立たなくなる。またこの場合はもし敢えて一人だけが負担を払ってもほぼ大勢に有効な影響を与えることはなく、単なる負担のみに終わり社会に対してそれが生かされることが生じない。同種の問題は、教室の掃除、路上駐車環境問題投票行動まで、多岐に渡る。

税金を考える際の社会的ジレンマ[編集]

いわゆる公務員市場の失敗が起こっている分野に従事しているが、もしもある団体で、

1)全員が社会生活に協力的だった場合、個々の費用負担は1000円となる
2)全員が社会生活に非協力的だった場合、各人から1500円を徴収する
3)もし他の人間は社会生活に協力的だが自分だけ裏切った場合、自分の費用負担は生じないが、他の人の負担は2000円になる

という状況が生じている場合、単なる個人への質問だと、3を選択する人が多くなることが考えられる[2]

ここで、政府が3のような「フリーライダー」の存在を黙認してしまうと、結果として2の状態に落ち着き税金が増える恐れがある。

関連項目[編集]

文献[編集]

  • 山岸俊男 『社会的ジレンマ:「環境破壊」から「いじめ」まで』 PHP研究所、2000年ISBN 9784569611747
  • Dawes, R. M. (1980). “Social dilemmas”. Annual Review of Psychology 31: 169-193. 
  1. ^ 社会的ジレンマ:心理学用語集 サイコタム
  2. ^ 社会的ジレンマとは:ビジネス心理学を参考として