痩果

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。Archaeodontosaurus (会話 | 投稿記録) による 2013年4月22日 (月) 16:26個人設定で未設定ならUTC)時点の版であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

タンポポの痩果

痩果(そうか、英語:achene、akene、achenium、achenocarp)とは、多くの被子植物に見られる、単純で乾いた果実の一種である。 このような実のつき方をする植物の雌蕊は1つであり、成熟しても種を飛ばすことはない。痩果の種子は果皮にくるまれている。種子と思われていたものが、実は痩果だったということはよくあることである。

代表例

このような実のつき方をする植物にはキンポウゲソバタンポポなどがある。 これとよく似たものにイチゴがあり、イチゴは花托の上に痩果が乗っている。 カヤツリグサ科の植物の果実は、子房が1つのloculeで構成されているため痩果の部類に入るとされている。同じ理由でキク科の果実も痩果の一部とされている。殻に入ったヒマワリの『種』は、実際の『種』ではなく、痩果である。つまり、ヒマワリの『種』の殻は果皮である。

変種

カエデの種子など、羽のついた痩果は翼果と呼ばれる。 バラもまた痩果をもっており、バラの「実」の中に痩果が数個入っている。穀物も痩果に近いところがあるが、種皮が薄い種の殻とつながっている。 utricle(スゲなどの薄い袋状の胞果)も痩果に近いところがあるが、子房は複数あり、子房はコルク状になっているか、穴がたくさんあくようになる。