異名同音

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異名同音(いめいどうおん)とは、平均律において、音名が異なっても演奏される音が同じ音となる複数(一組だけ2つ、他は3つ)の音のことをいう。エンハーモニック: enharmonic: enharmonique)とも。 バロック時代以降、平均律こそ普及はしていなかったが、音程の異名同音的な取り扱いをすることによって音楽の可能性が飛躍的に広がった。特に、ロマン派時代以降は平均律の普及によって完全に異名同音となったことから普通に使われるようになった。

次の12の組合せである。□はピアノの白鍵、■は同じく黒鍵の音である。

鍵盤 英語音名 日本語音名 備考
B C Dダブルフラット 嬰ロ 重変ニ
Bダブルシャープ C D 重嬰ロ 嬰ハ 変ニ
Cダブルシャープ D Eダブルフラット 重嬰ハ 重変ホ
D E Fダブルフラット 嬰ニ 変ホ 重変ヘ
Dダブルシャープ E F 重嬰ニ 変ヘ
E F Gダブルフラット 嬰ホ 重変ト
Eダブルシャープ F G 重嬰ホ 嬰ヘ 変ト
Fダブルシャープ G Aダブルフラット 重嬰ヘ 重変イ
G A 嬰ト 変イ 唯一の2つだけの組み合わせ
Gダブルシャープ A Bダブルフラット 重嬰ト 重変ロ
A B Cダブルフラット 嬰イ 変ロ 重変ハ
Aダブルシャープ B C 重嬰イ 変ハ

調としての異名同音(異名同音調)は、調号の制約の関係でシャープやフラットが5個以上の調となる次の6組に限られる。

短調 長調 長調 短調
嬰ト短調 ロ長調 5 7 変ハ長調 変イ短調
嬰ニ短調 嬰ヘ長調 6 6 変ト長調 変ホ短調
嬰イ短調 嬰ハ長調 7 5 変ニ長調 変ロ短調

関連項目