特殊算

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特殊算は、主に小学校の算数で用いられる、一般には文字式方程式を利用して解かれる問題を、それらを利用せずに解く方法の総称。 [1]

特殊算と数学

同じ問題でも特殊算と数学では解法がかなり変わってくる。

例題

鶴と亀が合わせて12匹いて、鶴と亀の足の本数の合計は38本である。このとき、鶴は何匹いるか。[2]

数学での解法

鶴の数をx羽、亀の数をy匹として連立方程式をつくると

2x+4y=38,x+y=12となり、これを解くと

(x,y)=(5,7)であるため解は適している。

よって鶴は5匹。

特殊算での解法

ここでは鶴亀算を用いて解く。

鶴が1羽もおらず亀が12匹だった場合の足の本数の合計は

4本×12匹=48本

実際の足の本数の合計との差は

48本-38本=10本

亀と鶴の1匹あたりの足の本数の差は

4本-2本=2本

より、亀が鶴に変わるたびに実際の足の本数の合計との差は2ずつ縮まるので

10本÷2本=5匹

よって鶴は5匹。

このように数学ではある値を文字で置くことで式をつくり解いているが、特殊算では文字を使えないため値が最大もしくは最小であると仮定し、実際との差を使って解いている。

特殊算の例

面積図を用いて解くもの

  • つるかめ算:複数の物の値の合計数とそれぞれの値に関わる問題で用いられる。
  • 濃度算:水溶液の濃度に関わる問題で用いられる。
  • 平均算:複数の値の平均に関わる問題で用いられる。

線分図を用いて解くもの 

  • 和差算:複数の値の和と差に関わる問題で用いられる。
  • 年齢算:複数のものの年齢に関わる問題で用いられる。
  • 分配算:複数の物の分配に関わる問題に用いられる。
  • 相当算:比や割合に関する問題で用いられる。
  • 倍数算:倍数に関わる問題に用いられる。
  • 損益算:商売の損失と利益に関わる問題で用いられる。

図を用いて解くもの

  • 方陣算:複数のものの規則的な配置に関わる問題に用いられる。
  • 時計算:時計に関わる問題に用いられる。
  • 植木算:複数のものの整列に関わる問題に用いられる。

速さの公式を用いて解くもの

  • 旅人算:1つあるいは複数の物の移動に関わる問題に用いられる。
  • 流水算:流水や動く床などでの1つあるいは複数の物の移動に関わる問題に用いられる。
  • 通過算:1つあるいは複数の物の通過やすれ違いなどに関わる問題に用いられる。

仕事の公式を用いて解くもの

  • 仕事算:1つあるいは複数の物による仕事に関わる問題に用いられる。
  • ニュートン算:仕事算に加えて、仕事量の増加・減少が関わる問題に用いられる。
  • のべ算:仕事算とほぼ同義。

その他

  • 消去算:複数のわかっていない値を求めることに関する問題で用いられる。
  • 集合算:複数の物の集合に関わる問題に用いられる。
  • 差集め算:複数の物の差に関する問題で用いられる。

脚注

  1. ^ 英進館算数科『中学入試 算数 超頻出テーマ50解法のコツ』KADOKAWA
  2. ^ 四谷大塚予習シリーズ算数4年上』、103頁より引用

1.[1] 2.[2] 3.[3]

  1. ^ 『予習シリーズ算数4~6年』四谷大塚。 
  2. ^ 『わくわく算数1~6』啓林館。 
  3. ^ 『未来へ広がる数学1~3』啓林館。