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流量

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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流量(りゅうりょう、: discharge)とは 、流体液体気体)が移動する体積質量)を表す物理量である。ふつう、単位時間当たりにどれだけの量が移動したかを表す。

概要

流体の量として体積を考えた場合は体積流量(たいせきりゅうりょう)という。一般に流量と言った場合は体積流量を指すことが多く、日本の計量法でも体積流量のことを単に流量と表現している。単位は、国際単位系 (SI) では立方メートル毎秒 (m3/s) を用いる。計量法では他に立方メートルをリットルに、秒をに置き換えた単位も認めている。海洋学では、海流の体積流量の計量に1キロリットル毎秒に等しいスベルドラップ (Sv) が用いられる。

m3/s は m2・m/s と変形することができる。すなわち、体積流量は流体の断面積と流体の速度(流速)との積で表すことができる。同じ流量であれば、断面積が大きくなると流速は遅くなる。の流れが上流で速く下流で遅い原因のひとつがこれである。逆に、断面積が同じ場合、流量が多くなると流速が速くなる。大雨のときに川の流れが速くなるのはこのためである。ダムの目的の一つは下流に流れる流量をほぼ一定に制御することである。

流体の量として質量を考えた場合は質量流量(しつりょうりゅうりょう)という。この単位は、SI ではキログラム毎秒 (kg/s) とし、計量法ではキログラムをグラムトンに、秒を時、分に置き換えた単位も認めている。

測定される流体が気体である場合、体積は圧力や温度で変化するので標準状態の大気(参照基準大気)の体積に換算して表示する。

流量計

流量を測定する装置を流量計といい、次のような種類のものがある。

しぼり流量計(ベンチュリ計)
配管の途中にしぼりを設けて通過流量によってしぼりの前後の圧力差が変わるのを利用する。
差圧式流量計(オリフィス流量計)
配管の途中にオリフィスプレート(中央に穴の開いた板)を設けて、プレートの前後の圧力差を利用する。
フロート型流量計
テーパー管に浮子をいれて、浮子とテーパー管のすきまによって生じる圧力差と浮子の重さが釣り合う位置で流量を測定する。
層流型流量計
細管に流量を通過させて、流体の粘性による圧力降下によって流量を測定する。
熱線式流量計
管路に電熱線を置いて、流体によって奪われる熱量が流量に比例することを利用する。
カルマン渦流量計
障害物の後方に生じるカルマン渦の発生周期が、流量によって変わることを利用する。
タービン流量計
流れによって回転する翼車を利用する。
超音波流量計
管路外から非接触で測定でき超音波伝播時間やドップラー効果を利用する。
電磁流量計
電磁誘導を利用するため導電性の流体に限られるが、堅牢で精度も良い為工業的に良く利用される。
羽根車式流量計
流れの中に羽根車を取り付け、羽根車の回転の速さで流量を測定する。
堰式流量計
水路にせきを設け,これを超えて流れる水面の高さを測定する。
コリオリ式流量計
チューブを一定振動数で振動させそのチューブに流体を流すと流入側と流出側でそれぞれ反対方向のねじれがコリオリ力によって生じる。このねじれ角は質量流量に比例するのでこのねじれ角を測定する。

関連項目

外部リンク