接触皮膚炎
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接触皮膚炎(せっしょくひふえん)は、急性皮膚疾患の一つ。日常語でいうかぶれ。
分類
- 一次刺激性接触皮膚炎 (ICD, Irritant Contact Dermatitis)
- 原因物質の接触によって皮膚の炎症を誘発する。原因物質の毒性の強さによって、症状の強さが決まる。アレルギーは無関係なので、誰でも起こりえる。
- アレルギー性接触皮膚炎 (ACD, Allergic Contact Dermatitis)
- 原因物質に触れると、皮膚の炎症細胞が感作される。次に、またその原因物質に接触することによって、皮膚の炎症細胞が活発に働き湿疹を誘発する。原因物質の毒性の強さと症状の強さは相関しない。アレルギーのある人のみ生じる。
症状
- 掻痒を伴う発疹が、原因物質の接触した部分に出現する。
- 発疹の特徴として、最も典型的な湿疹の経過をたどる皮膚炎である。水疱・紅斑・丘疹など。
- 接触皮膚炎症候群という病態がある。原因物質の接触した以外の部分にも湿疹が広がることで、掻いて広がる場合をいう。さらにこれが全身に広がることがあり、自家感作性皮膚炎と呼ばれる。
- 歯科金属アレルギーの場合、詰め物により慢性的な口内炎を起こすことがある。
- 重症例では潰瘍を伴うこともある。
原因
- 一次刺激性接触皮膚炎 (ICD)
- アレルギー性接触皮膚炎 (ACD)
診断・検査
- 一次刺激性接触皮膚炎(ICD)
- アレルギーとは無関係なため、特に検査を行うことはしない。
- アレルギー性接触皮膚炎(ACD)
- 確実な診断は貼布試験である。パッチテストともいう。疑わしい物質を皮膚に貼付し、48時間後に皮膚の反応を見るという検査である。IV型アレルギーの代表的な検査法であり、陽性反応は、紅斑・浮腫・小水疱などの湿疹が貼付した部分にできる。(あくまでIV型アレルギーなので好酸球やIgEは関与しない。)金属アレルギーの場合は1週間たって陽性反応が出ることもあるため、診断に時間がかかる。
治療
- 原因物質の被曝を防ぐ。
- ステロイド外用剤を湿疹の部分に外用・塗布する。
- 痒みに対しては、抗アレルギー薬・抗ヒスタミン薬を使用する。
- 発疹の症状が強い場合や自家感作皮膚炎の場合は、ステロイド内服・注射等、全身投与が必要になることがある。
トピックス
- 日常生活では、化粧品、シャンプー、整髪料、染髪やパーマに使われる薬剤が原因で、肌や頭皮に接触皮膚炎が起こることが多い。特に、1990年代中盤以降に、染髪が一般化してからは顕著である。また、生まれつきや自然な髪色の変化で髪が黒くない人が、学校の頭髪チェックで「髪が黒くない」とみなされ、不当な理由で学校から黒染めされ、生徒が接触皮膚炎になったという問題も起きている。[1] [2]