怒号層圏

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怒号層圏(どごうそうけん)は、SNK1986年10月24日に発売した業務用アクションシューティングゲーム。基板価格は183,000円(専用コンパネ付き)。同年に発売された怒 IKARIの続編であり、その基板からの改造もできた。改造価格は103,000円(専用コンパネ付き)。キャッチコピーは「選ばれし者達よ、その手で闇を打ち砕け!(THOU WHO ART SELECTED! ESCAPE FROM THE DARKNESS USING YOUR OWN SKILL AND STRATEGY!)」。

ストーリー

しばしの休暇を取るラルフとクラーク。しかし突然彼らは異世界に引きずり込まれてしまう。

ゲーム内容

操作系は前作に引き続きループレバーと2ボタン。アイテムを手に入れることで強力な武器を使用することが出来る。各ステージにはボスが設定されており、倒すと次のステージに進むことができる。

武器には剣、ブーメラン、バズーカ砲、銃、手投げ弾などがあるが、特に前作からの大きな違いは剣であり、これを使って敵の攻撃を弾き返すことが可能。永久パターン防止のミサイルさえ弾き返せる。ある意味でループレバーらしさを演出したフィーチャーの追加となっている。

時折、異次元パネルなるものが飛来し、それに触れてしまうと、異次元空間へと落ちてしまう。異次元空間は避けることができたが、接触判定がとても大きかったり、地面に設置される前から接触判定をもつため、出現場所を覚えていなければほぼ確実に異次元に吸い込まれてしまうようになっていた。異次元ではパワーアップアイテムが一切出現せず、異様なBGMと共に敵が出現する。エリア最後にボスがいる場合は、これを倒さなければ異次元から出ることはできなかった。

継続プレイの方式も前作と異なっており、ゲーム中にクレジットを入れてスタートボタンを押すと残人数が増えるようになっていた。

敵が限りなく出現し、四方八方から高速で飛来しつつ弾を撃ってくるうえ、地形に阻まれて自由に身動きできないこともあり、前作に比べて難易度は非常に高いものとなっていた。

武器について

  • マシンガン(標準装備)
白い弾を発射する。飛距離は短く、「とりあえず攻撃できる」という程度の武器。ミスした後の再スタート時はこのマシンガンを持った状態で開始する。
  • マシンガン(赤弾)
弾が赤くなり、飛距離と攻撃力が増す。ザコ敵を貫通するようになるが、これが仇となり弾切れを起こし、敵の猛攻を凌ぎきれなくなる場面もあった。
  • バズーカ
本作のメイン武器の1つ。ゲームスタート時は最初からバズーカを所有した状態で開始する。連射はできないがザコ敵を貫通する炎を前方一直線上に噴出する。
見た目より攻撃判定が大きく、前方どころか横から接近してきた敵さえも巻き込むことが出来た。
ボタンを押したままで連射(途切れると同時に次の攻撃が出る)でき、ループレバーを回転させることで広範囲をカバーすることが出来た。また、一部の地形を破壊することができるようになった。ボスに対する攻撃力も大きく、出現する回数も多い。
  • ブーメラン
前方に飛んでいき、また戻ってくる武器。
敵を貫通し、連射能力も高かったが攻撃判定が見た目どおりで威力も弱く、あまり使い道はなかった。
  • 手投げ弾(初期装備)
前作同様の灰色の手榴弾。
今作では弾数に制限はなく、ボタンを押しっぱなしで連射できたため、ボタンは押しっぱなしにするのが基本操作となっていた。
初期装備で地形を破壊することが出来る唯一の武器。
  • 手投げ弾(赤)
前作においても今作においても最高の破壊力を誇る武器。
着弾地点で炸裂し、初期装備が1x1マス分しか攻撃力を持たないのに対して、3x3マス分の攻撃判定をもつため、連射しているだけで着弾地点は草の根1本も残らない荒地となっていた。ミスをしてこの武器を失った後の攻撃力の低下は激しく、再取得するや否や圧倒的な攻撃力を得ることができた。
前方に大きな剣を突き出す。
武器はマシンガンになるが、マシンガンのみ剣と重複して持つことができた。他の武器を取るとその武器に切り替わってしまう。
ループレバーを回すと、見た目どおり剣を回転させる。回転させることで敵の弾を弾き返すことができ、弾き返した弾は敵に対して攻撃判定を持つため、敵の弾にわざと突っ込んでいき、弾き返して周囲の敵を一掃する戦略もあった。このため、レバーを回している間はザコ敵に対しての攻防が完全な状態になるが、レバーを回し続けなければならないため、腕にかかる負担は相当なものとなり、またループレバーの寿命を結果的に縮める原因にもなってしまった。ボスに対しては重ねているだけで一定のダメージを与え続けることができたが、その攻撃力はとても弱く、この武器をいかに使いこなせるかでゲームの難易度が大きく変わった。使いこなせればノーミスクリアも夢ではない程の性能を誇っていた。
2人プレイ時、双方が剣を持っていると、時々剣が光ることがある。この時にレバーを回して互いの剣を重ね合わせると、アイテムの「雷」と同等の効果が発生し、画面上のザコ敵を一掃することが出来た。ボスに対してもかなりの攻撃力があった。
しかし、2人プレイ時は片方のプレイヤーが弾き返した敵の弾で味方が被弾するという、バグなのか仕様なのかわからない効果があったため、剣を振り回しているとプレイヤー間で敵の弾がお手玉状態になるような不思議な現象を見ることが出来た。なお、お手玉に負けた方がミスになる。

主なアイテム効果

アイテムは地上に無造作に置かれているか、特定の条件下で地面から出現する。

  • 雷の力で全ての敵を倒せる。
ザコ敵を一掃する。出現位置が決まっていたため、ちょっとした演出といった感じのものだが、後半面では取れなければ敵の猛攻でミスが確定するような場面もあった。
  • 地震を起こして敵の動きを止める。
数秒間、ザコ敵の動きが止まるが、ピンチ時に立て直せるという程便利なものではなかった。
  • 地面から鎧が出現する。
鎧を装備すると、一定時間敵の弾による攻撃を完全無効化できるようになるが、敵との接触にはほぼ無意味。接触すると鎧が取れるが無敵時間が存在しないため、かすった程度であればすぐに移動する事で避けられるが、避けられなければそのままミスとなってしまう。
  • 隠されたアイテムが見えるようになる。
時間制ではなく、特定のパネルを取ることで別のアイテムが出現するというもの。
  • 異次元空間から脱出する。
異次元空間のボスを倒すか、一定のエリアに達すると出現する。取らなければエリアから出ることが出来ず、そのままザコを倒して稼いでいると永久パターン防止の敵がくるため、取らないわけにはいかないアイテム。
  • 有効なアイテムが分るようになる。
アイテムが一定時間光る。破壊できる壁にアイテムが埋まっている場合、壁が光るのでどこを優先的に破壊すればいいかを知ることが出来た。出現パターンを覚えていれば何の意味も持たない。
  • 得点
見た目そのままの得点がスコアに加算された。

BGM

作曲は田中敬一。前作「怒-IKARI-」とは異なり、エリアごとに曲が変わるようになった。メロディラインがしっかりしたものとなり、エリアが進むにつれ、次第に盛り上がるような構成となっていた。 しかし、ゲームの難易度の高さと忙しさ、そして効果音に比べてBGMの音量が小さいので、ゲームセンターでじっくり聞くことは難しい。

余談

  • デモ中にはレバーがわずかに反応するので、それを利用して遊ぶ(?)ことができる。
  • KOF94の伯剌西爾ステージの背景に有る墜落したヘリコプターは今作の任務中に墜落した物がそのまま放置されたもの。

ファミコン版

ファミコン怒II DOGOSOKENという名称で移植された。 内容は本作とはかなり異なる。

関連項目

ザ・キング・オブ・ファイターズ