平面の敵

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。Cewbot (会話 | 投稿記録) による 2021年1月23日 (土) 00:51個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (bot: 解消済み仮リンク夜に現れた森を内部リンクに置き換えます)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

平面の敵
Flatline
ドクター・フー(新シリーズ)』のエピソード
三次元物体を二次元物体に変えられる装置。2dis。
話数シーズン8
第9話
監督ダグラス・マッキノン英語版
脚本ジェイミー・マシソン英語版
制作ニッキー・ウィルソン英語版
音楽マレイ・ゴールド
初放送日イギリスの旗 2014年10月18日
エピソード前次回
← 前回
オリエント急行のミイラ
次回 →
夜に現れた森
ドクター・フーのエピソード一覧

平面の敵」(へいめんのてき、原題: "Flatline")は、イギリスSFドラマドクター・フー』の第8シリーズ第9話。2014年10月18日に BBC One で初放送された。脚本はジェイミー・マシソン英語版、監督はダグラス・マッキノン英語版が担当した。

本作ではタイムマシンターディスが未知の力で縮小を始め、異星人のタイムトラベラー12代目ドクター(演:ピーター・カパルディ)が内部に閉じ込められる。現代のブリストルで立ち往生したドクターはクララ・オズワルド(演:ジェナ・ルイーズ・コールマン)に原因の解明を求め、彼女は現地の落書きアーティストのリグシー(ジョヴィアン・ウェイド英語版)と共に調査を開始する。やがて黒幕はボーンレスと呼ばれる2次元空間の種族であることが明らかになり、クララはドクターの役目を引き継いで侵略から人類を守ろうとする。

本作は批評家から肯定的にレビューされ、特にコールマンの演技が称賛を受けた。

製作

台本の読み合わせは2014年5月19日に行われ、撮影は5月28日から6月18日にかけて行われた[1]。ターディスの外側がドールハウスの大きさまで縮小するという展開は、4代目ドクターが内部に囚われた Logopolis(1981年)でも見られた[1]

放送と反応

放送当夜の視聴者数は460万人で[2]、タイムシフト視聴者を合算すると671万人に上った[3]。Appreciation Index は85を記録した[4]

アメリカ合衆国では75万人が視聴した[5]

批評家の反応

専門評論家によるレビュー
レビュー・スコア
出典評価
The A.V. Club英語版B+[6]
ペースト9.4[7]
SFX4/5stars[8]
TV Fanatic4.7/5 stars[9]
CultBox4/5stars[10]
IndieWireB+[11]
IGN8.3[12]
ニューヨーク・マガジン5/5stars[13]
ラジオ・タイムズ5/5stars[14]
デジタル・スパイ英語版3/5stars[15]
デイリー・テレグラフ5/5stars[16]

本作は肯定的にレビューされ、特にジェイミー・マシソン英語版の脚本とジェナ・ルイーズ・コールマンの演技および怪物のユニークなデザインが称賛された。インデペンデント紙のニーラ・デブナスはコールマンとピーター・カパルディの演技を称賛し、本作が前話「オリエント急行のミイラ」よりも強力なエピソードであると確信した。「オリエント急行のミイラ」は同じくマシソンが執筆したエピソードであったが、デブナスはCGIに批判的であった[17]IGNのマット・リズレイは本作を10点満点で8.3点と評価し、エピソードのコンセプトとコールマンの演技を称賛したが、ゲスト出演者を批判した[18]デジタル・スパイ英語版のモーガン・ジェフェリーは本作に賛否両論のレビューをしており、「でこぼこ道だ」と形容した。彼もゲスト出演者に批判的であり、キャラクターの性格に深みがないと述べた。しかし彼はCGIに肯定的であり、「最近の記憶の中で番組に登場した中では最も印象的で目立つものだ」と評価した。全体として彼は本作に星5つ中3つを与えた[15]

デイリー・テレグラフのマイケル・ホーガンはゲスト出演者のクリストファー・フェアバンク英語版を同じくゲスト出演者のジョヴィアン・ウェイド英語版が凌駕していたと指摘した。彼はエピソードについて「突飛なほど独創的なアイデアがあり、スマートに実行された。スリリングで不穏な雰囲気を醸し出し、最終的には満足のいくものだった」と述べた[16]ガーディアン誌のダン・マーティンはジェイミー・マシソンの脚本について「チープなエピソードをどうするかのより効果的なデモンストレーションである」と評価し、クララが「ますますドクターに似てきている」とも主張した[19]The A.V. Club英語版のアラスデア・ウィルキンスは本作をB+と評価し、「長い長い間に見たことのない熱い調子だ」と主張した。ウィルキンスは「『平面の敵』は完璧ではないが、彼らの複雑な関係性が久しぶりの方法で思慮深い劇を余儀なくされたこと以外の理由はないとしても、12代目ドクターとクララが互いにどれだけ偉大な存在であったか、また彼らのペアが番組にとってどれだけ偉大であったかを強調している」と述べてレビューを締め括った[6]

書籍版

Flatline
著者Nancy Taylor
シリーズDoctor Who novelisations
出版社Pearson Education
出版日2018年6月15日
ISBN978-1292206158

Pearson Education は2018年6月15日にナンシー・テイラーによる英語学習者向けの本作の小説版を出版した[20][21]

出典

  1. ^ a b Doctor Who, Series 8, Flatline - Flatline: Fact File”. Doctor Who. BBC (2014年10月18日). 2014年11月10日閲覧。
  2. ^ Miller, Paul (2010年6月7日). “Who's 'Hungry Earth' draws 4.4 million”. Digital Spy. 2014年10月19日閲覧。
  3. ^ Doctor Who series 8 ratings accumulator”. 2020年9月25日閲覧。
  4. ^ Doctor Who Series 8 (2014) UK Ratings Accumulator”. 2020年9月25日閲覧。
  5. ^ SHOWBUZZDAILY's Top 25 Saturday Cable Originals: 10.18.2014”. ShowBuzzDaily. 2020年9月25日閲覧。
  6. ^ a b Wilkins, Alasdair (2014年10月18日). “Doctor Who: "Flatline"”. The A.V. Club. 2014年10月19日閲覧。
  7. ^ Rozeman, Mark  (2014年10月19日). “Doctor Who Review: "Flatline"”. ペースト. 2018年11月5日閲覧。
  8. ^ Farley, Jordan (2014年10月20日). “Doctor Who S8.09 Flatline review”. SFX. 2018年11月5日閲覧。
  9. ^ Pavlica, Carissa (2014年10月18日). “Doctor Who Season 8 Episode 9 Review: Flatline”. TV Fanatic. 2018年11月5日閲覧。
  10. ^ Stewart, Malcolm (2014年10月18日). “'Doctor Who' review: 'Flatline'”. CultBox. 2018年11月5日閲覧。
  11. ^ Welsh, Kaite (2014年10月18日). “Review: 'Doctor Who' Season 8 Episode 9, 'Flatline,' Goes Off the Wall (In a Good Way)”. IndieWire. 2018年11月5日閲覧。
  12. ^ Risley, Matt (2014年10月18日). “Doctor Who: "Flatline" Review”. IGN. 2014年10月19日閲覧。
  13. ^ Ruediger, Ross (2014年10月19日). “Doctor Who Recap: Physical Graffiti”. Vulture.com. 2018年11月5日閲覧。
  14. ^ Mulkern, Patrick (2014年10月18日). “Flatline – Doctor Who's 250th story is an outstanding, gritty tribute to Banksy”. ラジオ・タイムズ. 2018年11月5日閲覧。
  15. ^ a b Jeffery, Morgan (2014年10月18日). “Doctor Who series 8 'Flatline' recap: A bumpy ride?”. Digital Spy. 2014年10月19日閲覧。
  16. ^ a b Hogan, Michael (2014年10月18日). “Doctor Who, review, Flatline: 'a cleverly creepy premise'”. デイリー・テレグラフ. 2014年10月19日閲覧。
  17. ^ Neela Debnath (2014年10月20日). “Doctor Who 'Flatline' review: Clara isn't half bad as the Time Lord”. 2020年9月25日閲覧。
  18. ^ Matt Risley (2014年10月18日). “Doctor Who: 'Flatline'”. IGN. 2020年9月25日閲覧。
  19. ^ Martin, Dan (2014年10月18日). “Doctor Who recap: series 34, episode 9 'Flatline'”. 2020年9月25日閲覧。
  20. ^ Level 3: Doctor Who: Flatline. Pearson Education. (12 April 2018). ASIN 1292206152 
  21. ^ Level 3: Doctor Who: Flatline - Pearson Readers”. readers.english.com. 2020年9月25日閲覧。

外部リンク