大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ
大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ(大地のげいじゅつさい えちごつまり—、英称:The Echigo-Tsumari Art Triennial)は、新潟県越後妻有地域(十日町市、津南町)で開催される世界最大規模の国際芸術祭。
概要
「人間は自然に内包される」を理念に、新潟県越後妻有地域の約762平方キロメートルの広大な土地を美術館に見立て、アーティストと地域住民とが協働し地域に根ざした作品を制作、継続的な地域展望を拓く活動を目的とする芸術祭である。大地の芸術祭は「交流人口の増加」「地域の情報発信」「地域の活性化」を主要目的としたアートプロジェクトである。
越後妻有という地名は地図上に存在する名称ではなく、古くからこの地域が「妻有郷」と呼ばれたことに由来する。
2005年4月に合併で新「十日町市」が誕生したため、新「十日町市」を川西エリア、松代エリア、松之山エリア、中里エリア、十日町エリアに改称し、津南町と合わせ越後妻有地域と呼んでいる。
歴史
越後妻有の1市4町1村(十日町市、津南町、川西町、松代町、松之山町、中里村)の広域連携と地域の活性化を目指し「ニューにいがた里創プラン」が制定される。1994年に十日町地域が地域指定を受け、1996年に「越後妻有アートネックレス整備構想」が樹立。1997年に「大地の芸術祭実行委員会」が設立され、当時の新潟県知事平山征夫の依頼で新潟県高田市(現上越市)出身であるアートディレクターの北川フラムが総合ディレクターに就任。2000年に第1回大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2000が開催され、以後、3年に1回開催されるトリエンナーレ形式を採用している。
第4回よりベネッセコーポレーション会長の福武總一郎が協賛すると共に運営に参画している。
なお、3年に1回開催されるトリエンナーレとは異なる芸術祭として様々な催しが開催されている。2007年と2009年には「大地の祭」、2010年2月には「越後妻有 雪アートプロジェクト」が開催されている。
大地の芸術祭
第1回大地の芸術祭は2000年7月20日から9月10日までの53日間開催され海外32の国と地域から参加したアーティストによる148作品が設置され、開催期間中の来場者数は約163,000人[1]。
第2回大地の芸術祭は2003年7月20日から9月7日までの50日間開催され、来場者数は約205,000人[2]。松之山町の「森の学校」キョロロや松代町の「農舞台」、十日町市の「越後妻有交流館キナーレ」などがこの回に合わせて建設された。
第3回大地の芸術祭は2006年7月23日から9月10日までの50日間開催され、約40の国と地域から200名を超えるアーティストが参加、総作品数は329点、来場者数は348,997人[3]。
第4回大地の芸術祭は2009年7月26日から9月13日の50日間開催され、約40の国と地域から353組のアーティストが参加、総作品数は365点(うち新規・継続作品216点)、来場者数は375,311人[4]。総合プロデューサーは福武總一郎、総合ディレクターは北川フラム。
第5回大地の芸術祭は2012年に開催予定。
なお、来場者数は対外的に増やす必要があるため、各施設でのカウントの総合計で延べ人数であり実際の実人数は数十分の1である。また越後妻有交流館キナーレ、越後松之山「森の学校」キョロロ等の箱物や恒久的な芸術作品も多数設置され、維持のため多額の税金が投入されている。
関連書籍
- 「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2000」(越後妻有大地の芸術祭実行委員会、2001年5月)
- 「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2003」(大地の芸術祭花の道実行委員会東京事務局(編)、現代企画室、2004年4月)
- 「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2006」(北川フラム(著)、大地の芸術祭実行委員会(監修)、<言語:英語>、現代企画室、2007年6月)
- 「大地の芸術祭 越後妻有トリエンナーレ公式ガイドブック アートをめぐるたびガイド」(美術出版社、2009年7月)
- 「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ記録集」(越後妻有里山機構、現代企画室、2010年4月)
- 「大地の芸術祭 越後妻有トリエンナーレ2009」(越後妻有里山協働機構、2010年3月)
- 「大地の芸術祭」(北川フラム(著)、角川学芸出版、2010年7月)
脚注
- ^ 越後妻有大地の芸術祭・花の道実行委員会pp.80
- ^ 越後妻有大地の芸術祭・花の道実行委員会pp.80
- ^ 大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2009総括報告書pp.2,農林水産省報告書
- ^ 大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2009総括報告書pp.2,農林水産省報告書