冨安徳久

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とみやす のりひさ

冨安 徳久
生誕 日本の旗 日本 愛知県宝飯郡
国籍 日本の旗 日本
職業 実業家
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冨安 徳久(とみやす のりひさ)は、日本実業家愛知県宝飯郡一宮町(現:豊川市)生まれ。ティア代表取締役社長[1]。「尽生志事塾」主催[2]

経歴

1960年 愛知県宝飯郡一宮町(現:豊川市)生まれ。高校卒業後、大学の入学直前に葬儀アルバイトを経験、感動して大学進学をやめ1979年に葬儀会社に入社。1981年には東海地方の大手互助会に転職すると、25歳で葬儀会館の店長に抜擢される。ところが生活保護者の葬儀を引き受けないという会社の方針変更に触れると退職し、1994年に同業他社に転じて年俸契約社員として葬祭業に留まり独立開業を目指す。1997年に株式会社ティアを設立し代表取締役社長に就任する[1]と、創業10年で東海地方の葬祭業初の上場を目標に掲げ、計画を1年前倒しして2006年に名証セントレックスに上場、のちに名古屋証券取引所市場第2部へ変更(2008年)。

考え方

生前の葬儀費見積もりならびに適正価格の公開、価格引き下げを葬祭場の軒数を増やして収益確保を進めるなど、葬蔡業の「事業システムのイノベーション」を起こし[3]、葬祭業の商慣習の合理化を提言[4]

営業の基本に顧客目線を意識し[5]、顧客の予算と葬儀のオーダーメイド化の両立を考えさせる社員教育を徹底してきた[6][7]。2000年代初めには折から映画『おくりびと』の興行成績が伸び、葬儀や葬儀業界が注目されると、葬うプロとして「生」を充実させるにはきちんと「ゴール(死)」がそこにあると受け止めること、喜びや楽しみに加え不本意な体験あるいは辛さや悲しみに見舞われる人生を面白いと語り、終活の最終ステージにどう向き合うか[8]示した。

あるいは2011年の大震災を契機に、誰しもいつかは葬送される身であり、自ら家族や友人に感謝を伝える方法を説いたり[9]、また親しい者の葬い方に具体的な助言を添えてきた[10]。日本で一番「ありがとう」と言われる葬儀社を企業目標にしている[11][1][12][13]

親族

著作

単著

  • 『日本でいちばん「ありがとう」といわれる葬儀社 : 名古屋発・ティア成功の秘密』(2005年)東京:綜合ユニコム
のちにDVD付書籍に改版。『「ありがとう」すべては感動のために:「命の尊さ」を知る!究極のサービス業・ティア流葬儀ビジネス』(2007年)綜合ユニコム
  • 『ぼくが葬儀屋さんになった理由(わけ)』(2008年)ホメオシス
のちに文庫化(2009年、講談社+α文庫)
  • 『1%の幸せ -あなたのココロを磨く45の気づき-』(2008年)あさ出版
  • 『心の角度を幸せに :「さよなら」の現場で学んだ愛』(2010年)中経出版
  • 『最期の「想い」の遺しかた 家族や友人に感謝を伝えるために』(2011年)日本経済新聞出版社
  • 『「何のために生きるのか」:感謝なき道、人生の道にあらず』(2011年)PHP研究所
  • 『さよならのブーケ 大切な人の最期にしてあげたい11の物語』(2012年)かんき出版
  • 『人生は与えた分だけ与えられる 尽生(じんせい)と志事(しごと)』(2013年)PHP研究所

共著

  • 冨安徳久 ; 碑文谷創 ; 麻木久仁子「婦人公論井戸端会議 音楽、散骨、桜葬…… 野辺の送りは賑やかに」『婦人公論』第93巻第24号 (2008年12月7日): 180–185頁。
  • 冨安徳久 ; 高柳正盛「冨安徳久 ティア社長 死を常に意識しているから充実した人生を全うできる」『日経トップリーダー』〈地方の強い経営者(最終回)〉第321号 (2011年6月): 66–69頁。

CD、DVD

  • CD版『LIFE -自分の人生を生きるための、命の時間の使い方-』(2017年10月22日)、株式会社Wonder Note。4枚組。
  • 『池本克之のKPI interviews』(株式会社経営科学出版)
  • CD版『日本一“ありがとう”といわれる会社』(日本経営合理化協会AV局)
  • CD版『究極のサービス業への挑戦 ~すべては最後の「ありがとう」のために~』(2010年5月24日)、ビジョネット。(アヴァンティ株式会社)
DVD-ROM版(2010年5月24日)、ビジョネット。
  • 『「いのち」〜命の授業〜』出演: 冨安 徳久。株式会社サファリ。ディスク枚数: 2

参考文献

  • 村上龍 著、テレビ東京報道局 編『カンブリア宮殿 村上龍×経済人 | 人が活きる会社 : RYU'S TALKING LIVE』日本経済新聞出版社、2012年。ISBN 978-4-532-16830-8 

定期刊行物

  • 冨安徳久「日本で一番「ありがとう」と言われる葬儀社を目指す (特集2 あの世に行くのも大変な時代に! 笑顔なき戦いが熾烈化する葬儀業界)」『経済界』第41巻24 (通号 837)、2006年12月19日、111-113頁。 
  • 「トップインタビュー 冨安徳久 ティア代表取締役社長 生前見積もりと適正価格で業界革命を実現し、葬儀会館の多店舗展開を進める」『Squet : 三菱UFJビジネススクエア』第235号、2009年7月、16-18頁。 
  • 財界研究所(編)「経営写 (No.549) ティア社長 冨安徳久 : 適正価格・明朗会計を追求し、日本で一番「ありがとう」と言われる葬儀社を目指す!」『財界』第61巻第19=1537号、2013年9月24日、116-119頁。 
  • 角田隆太郎、常川智弘「事業システムの革新とその地域への影響 : -名古屋の葬蔡業の事例-」『日本ベンチャー学会誌』第22巻、2013年、105-119頁、ISSN 1883-4949 
  • 「「お客さまのために」という心が感動のおもてなしを生み出す ティア 代表取締役社長 冨安徳久氏」『Top promotions 販促会議』第202号、2015年2月、17-19頁。 
  • 企業家ネットワーク(編)「核心インタビュー 徹底した社員教育で感動葬儀を ティア 代表取締役社長 冨安徳久氏」『企業家倶楽部』第22巻第6=132号、2017年12月、54-57頁。 
  • 綜合ユニコム株式会社(編)「新春特別インタビュー (株)ティア 代表取締役社長 冨安徳久氏 業界の常識を覆しつづけてきた20年 すべてはお客様のため、「感動葬儀」を追求する」『フューネラルビジネス』第23巻第1=254号、2018年1月、12-15頁。 

脚注

  1. ^ a b c 村上龍 2012.
  2. ^ 人生は与えた分だけ与えられる: 尽生(じんせい)と志事(しごと)”. PHP研究所. 2019年6月14日閲覧。
  3. ^ 角田、常川 2013, pp. 105–119.
  4. ^ 三菱UFJ 2009, pp. 16–18.
  5. ^ 販促会議 2015, p. 17-19.
  6. ^ 企業家倶楽部 2017, pp. 54–57.
  7. ^ フューネラルビジネス 2018, pp. 12–15.
  8. ^ 若尾裕之『ミュージック葬でハッピーにいこう!』JPS、2008年、167頁。ISBN 9784884695750https://books.google.co.jp/books?id=_ZSPWHkjODwC&pg=PA167&dq=冨安徳久+著&hl=ja&sa=X&ved=0ahUKEwjfopri9-jiAhVIXbwKHcmmCcMQ6AEIMTAC#v=onepage&q&f=false2019年6月14日閲覧 
  9. ^ 日本経済新聞出版社『最期の「想い」の遺しかた 家族や友人に感謝を伝えるために』(2011年)
  10. ^ かんき出版『さよならのブーケ 大切な人の最期にしてあげたい11の物語』(2012年)
  11. ^ 経済界 2006, pp. 111–113.
  12. ^ 財界 2013, pp. 116–119.
  13. ^ 冨安徳久”. 講演会・講師の講演依頼.com. 2017年11月28日閲覧。

関連文献

関連項目

外部リンク