上法快男

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上法 快男(じょうほう よしお、1911年〈明治44年〉5月29日 - 2001年[1] )は、日本の陸軍軍人実業家。陸軍主計将校として勤務。戦後は出版業界に入り、芙蓉書房社長や会長を務めた。

経歴[編集]

秋田県士族、上法眞廣(従五位勲三等陸軍主計中佐)次男。

弟は上法眞男(1945年1月、海上挺進第9戦隊長としてフィリピン ルソン島にて戦死、陸軍少佐)、上法達男(陸軍大尉)。

仙台一中二高を経て東北帝国大学法文学部独法学科を卒業し、陸軍に入る。

主計将校として近衛歩兵第3連隊、歩兵第59連隊、第2師団、関東軍司令部、戦車第3師団、陸軍燃料本部総務部等で勤務し、階級は陸軍主計少佐に昇る。

1945年8月15日、陸軍省人事局附となり、人事局補任課にて復員軍人の職業輔導業務に従事。

1946年、公職追放を経て[2]、出版界に入り、軍隊時代の同僚であった孝壽芳春と共に、芳文社の前身となる尚文館を設立する。

1951年、尚文館から独立し、東京都千代田区神田須田町に株式会社芙蓉書房を設立。社長に就任する。軍事記録や歴史書を多く出版し、自身も執筆に携わる。

1993年、出版部門を分離し、有限会社芙蓉書房出版(後に株式会社化)を設立。芙蓉書房会長を経て、有限会社弥生出版研究所代表取締役に就任した。

編著等[編集]

  • 「現代の防衛と戦略」芙蓉書房
  • 陸軍大学校」芙蓉書房・昭和49年 ISBN 4-8295-0080-8
  • 東條英機」芙蓉書房・昭和49年
  • 「最後の参謀総長梅津美治郎」芙蓉書房
  • 「元帥寺内寿一」芙蓉書房
  • 「史上最大の人事」
  • 東京裁判と東條英機」
  • 「秘録・永田鉄山
  • 「秘録・土肥原賢二
  • 陸軍省軍務局長」芙蓉書房・昭和54年
  • 「軍務局長武藤章回想録」芙蓉書房・昭和56年
  • 監修「陸海軍将官人事総覧(陸軍篇)」芙蓉書房・昭和56年、外山操
  • 監修「陸海軍将官人事総覧(海軍篇)」芙蓉書房・昭和56年、外山操編
  • 編「石原莞爾の素顔 東条と対立した悲劇の予言者」芙蓉書房出版・昭和61年、横山臣平
  • 「陸軍省軍務局長武藤章に学ぶ政治スタッフの原点」芙蓉書房・昭和62年 ISBN 4-8295-0038-7
  • 企画・編集「帝国陸軍編制総覧」全三巻、芙蓉書房・平成5年、監修井本熊男・執筆森松俊夫、外山操
  • 「陸軍省軍務局史」上、芙蓉書房出版 ISBN 4-8295-0318-1(「陸軍省軍務局長」昭和54年の復刊)
  • 「陸軍省軍務局史」下、芙蓉書房出版ISBN 4-8295-0319-X(「陸軍省軍務局長」昭和54年の復刊)

脚注[編集]

  1. ^ 「陸軍省軍務局史」上巻、下巻、著者経歴による
  2. ^ 総理庁官房監査課 編『公職追放に関する覚書該当者名簿』日比谷政経会、1949年、52頁。NDLJP:1276156