ヨゲンノトリ

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ヨゲンノトリは、江戸時代末期コレラの流行を予言したとされる、伝説上の鳥である。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が流行中の2020年4月、山梨県立博物館により紹介され話題を呼んだ。

概要

コレラが流行していた幕末に、その様子を甲斐国市川村(現山梨市)の名主・喜左衛門が記した「暴病流行日記」(1858年)に登場する。日記には「鳥は去年の12月に加賀国(現石川県)に現れ、『来年の8、9月のころ、世の中の人が9割方死ぬという難が起きる』と言った」などと書かれている[1]

新型コロナウイルス(COVID-19)の流行

2019年末より始まった新型コロナウイルス感染症の世界的流行の最中にある2020年4月3日、山梨県立博物館の学芸員が同館所蔵の日記の鳥を「ヨゲンノトリ」と名付けてTwitterに投稿した。大きな反響を呼び、10日には同館ホームページに特設ページが開設された[1][2]。当時、疫病退散のご利益があるとされる妖怪、アマビエが注目を集めているところであった[3]

安政雑記の「双頭の鳥」

中日新聞は、「安政雑記」にヨゲンノトリと特徴や記述内容がよく似た「双頭の鳥」が記されていると報じた。「双頭の鳥」は、加賀国白山に現れ「世の人九分死ぬ難あり」と言い、自分の姿を朝夕に見れば難を逃れられると告げたとされる。石川県立図書館史料編さん室の主幹は「流行前に江戸市中に鳥の風説が広がっていたとみられ」、「江戸から甲斐国に伝わる間に、伝言ゲームのように変わったのでは」と指摘した[4]

関連項目

脚注

外部リンク