マメザクラ
マメザクラ | |||||||||||||||||||||
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分類 | |||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||
Prunus incisa Thunb. ex Murray | |||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||
マメザクラ (豆桜) |
マメザクラ(豆桜 学名:Prunus incisa Thunb. ex Murray)はバラ科、サクラ属の植物。桜の野生種の一つ。富士山近辺やその山麓、箱根近辺等に自生しており、フジザクラやハコネザクラとも言う。マメ(豆)の名が表すように、この種は樹高が大きくならず、花も小さい。
特徴
花の時期は3月下旬~5月上旬で、花弁は五枚一重で色は白から薄紅色。花は1cm~2cmと小ぶり。他種と違い花を下に向けて開かせる。
樹木としてはさして大きくならず、大きいものでも10m程度であり、樹高1m程でも花をつけるようになる。この特徴は栄養や気候から生育の難しく大きく成長できない亜高山帯でも子孫を残せるように変化したものだと考えられる。このため、亜高山気候の場所でも育ち、一般的な桜より寒さに耐える。木の肌は薄い灰色。細い枝を長く伸ばす。
葉は広い楕円形で葉の端の鋸上の部分は切込みが深い(欠刻状重鋸葉)。実は赤黒く熟する。
大きく育たなくとも花を咲かせる特徴があるため、庭木や盆栽としても非常に有用といえる。寒さに非常に強く、-20℃にも耐える。
分布
富士や箱根を中心に本州の中部、中央地溝帯近くに分布している。伊豆半島の温帯から亜高山帯まで様々なところに分布している。この地形になじむように自らを変化させていったと考えられている。
マメザクラ群
マメザクラに似ていたり、変種だとされる桜はマメザクラ群に分類されている。これらは更にマメザクラ系とタカネザクラ系に別れている。オオシマザクラとの間に知られる品種ウミネコは海外でもよく育てられる。[1]
マメザクラ系
野生種
- アメダマザクラ(飴玉桜)
- オオバナマメザクラ(大花豆桜)
- キンキマメザクラ(近畿豆桜・山彼岸)
- ショウドウザクラ(勝道桜)
- ブコウマメザクラ(武甲豆桜) - 旧名ブコウタカネザクラ。主に秩父地方の石灰岩地に産する。
- フジカスミザクラ(富士霞桜・印野桜)
- ボンボリザクラ(雪洞桜)
- マメザクラ (豆桜)
- ミドリキンキマメザクラ(緑近畿豆桜) - キンキマメザクラの赤色色素が欠損した種。
- ヤブザクラ(薮桜)
園芸品種
- アカネヤエ(茜八重)
- ウミネコ(海猫) - 主にヨーロッパで栽培されている品種。
- オシドリザクラ(鴛鴦桜)
- クマガイザクラ(熊谷桜・八重咲山彼岸) - キンキマメザクラの八重。
- コジョウノマイ(湖上の舞)
- ショウドウヒガン(勝道彼岸)
- ショウフクジザクラ(正福寺桜・正福寺枝垂・湯村枝垂・湯村)
- フタカミザクラ(二上桜) - 1970年に二上山で発見された品種。
- フユザクラ(冬桜・小葉桜) - 11月から12月の終わりごろまで花を咲かせることで知られる。群馬県藤岡市の桜山はフユザクラの名所として名高い。
- マナヅルザクラ(真鶴桜)
- ミドリザクラ(緑桜・緑萼桜)
- ミドノヤエ(水土野八重)
タカネザクラ系
タカネザクラの野生種
脚注・参照
- ^ More, D. & J. White. (2003) Cassell's Trees of Britain & Northern Europe. London:Weidenfeld & Nicolson. p. 535