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ヘクトル (小惑星)

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ヘクトル
624 Hektor
ヘクトルの軌道。青がヘクトル、 赤が惑星(一番外側の赤は木星)、 黒が太陽。
ヘクトルの軌道。青がヘクトル、
赤が惑星(一番外側の赤は木星)、
黒が太陽。
仮符号・別名 1907 XM
分類 小惑星
軌道の種類 トロヤ群
木星L4
発見
発見日 1907年2月10日
発見者 A. コプフ
軌道要素と性質
元期:2008年11月30日 (JD 2,454,800.5)
軌道長半径 (a) 5.233 AU
近日点距離 (q) 5.116 AU
遠日点距離 (Q) 5.351 AU
離心率 (e) 0.022
公転周期 (P) 11.97 年
軌道傾斜角 (i) 18.18
近日点引数 (ω) 183.83 度
昇交点黄経 (Ω) 342.80 度
平均近点角 (M) 218.27 度
衛星の数 1
物理的性質
長短径 (363 × 207) ± 42 km
質量 ~1.4 ×1019kg
平均密度 2.4 g/cm3
表面重力 ~0.067 m/s2
脱出速度 ~0.13 km/s
自転周期 6.921 時間
スペクトル分類 D
絶対等級 (H) 7.49
アルベド(反射能) 0.025
表面温度 ~122 K
色指数 (B-V) 0.776
色指数 (U-B) 0.249
Template (ノート 解説) ■Project

ヘクトル (624 Hektor) は木星トロヤ群で最も大きな小惑星である。アウグスト・コプフによってハイデルベルクで発見された。

命名

ヘクトルは木星の前方ラグランジュ点L4の、いわゆる「ギリシャ群」に位置する。ここにある小惑星にはトロイア戦争のギリシャ側の兵士の名前がつけられることになっているが、ヘクトルはこれらの区別が行われる前に命名されたため、トロイア側のヘクトルの名前が付けられた(これと逆のケースが (617) パトロクロスである)。

特徴

ヘクトルは、太陽系で最も細長い形をした天体の一つであり、およそ縦370km、横200kmの大きさである。これは、(216) クレオパトラのような接触二重小惑星であると考えられている[1]ハッブル宇宙望遠鏡による1993年の観測では、角解像度が低すぎて二葉の形までは見ることができなかった[2]

2006年7月17日、マウナケアW・M・ケック天文台での、レーザーガイド星補償光学装置を使った観測により、ヘクトルの二葉の形が観測された。

D型小惑星に分類され、暗く、赤っぽい色である(物理特性が観測された唯一のD型小惑星でもある)。

衛星

2006年の観測により、直径15kmの小衛星の存在が明らかとなり、仮符号S/2006 (624) 1が付けられた[3]。ヘクトルからの平均距離は1,000km、公転周期は50時間と推定されている。ヘクトルは今までのところ「ギリシャ群」で唯一の衛星を持つ小惑星である。「トロヤ群」の方では、2001年にパトロクロスの衛星が見つかり、後にメノイティオス ((617) Patroclus I Menoetius) と命名されている。

その他

スティーヴン・バクスターの1997年の短編小説The Fubar Suitには、宇宙飛行士がヘクトルを探検する様子が描写されている。

関連項目

参考資料

  1. ^ http://www.aanda.org/index.php?option=article&access=standard&Itemid=129&url=/articles/aa/full/2003/14/aa3023/aa3023.right.html
  2. ^ http://web.media.mit.edu/~win/hstpub.pdf
  3. ^ http://cfa-www.harvard.edu/iauc/08700/08732.html

外部リンク


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