ヘアドネーション

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。Canan (会話 | 投稿記録) による 2022年11月24日 (木) 00:44個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (→‎関連項目)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

ヘアドネーションとは、小児がん、先天性の脱毛症、不慮の事故などで、頭髪を失った子供のために寄付された髪の毛でウィッグを作り、無償で提供する活動。

概要

もともとはアメリカの団体Locks of Love[1]などが行っていた活動で、日本では2009年にNPO法人Japan Hair Donation & Charity(JHD&C)が活動を開始した。

当初は認知度の低さから髪の毛の寄付が少なく、最初のウィッグを提供するまで4年を要したが、水野美紀柴咲コウなどの有名人が参加したことにより認知度が上がり、寄付が急増した[2]。一方で代表の渡辺貴一は、マスコミがヘアドネーションや医療用ウィッグの提供を単なる美談として報じることや、髪が生えているのが普通というバイアスを広めてしまった意見を述べている[3]

寄付する髪の毛は、原則として31cm以上の長さが条件である。(『つな髪プロジェクト』は15cm以上。2021年11月現在は一時中止中)この「31cm」という中途半端な値の由来は、もともと米国で「12インチ(=30.5cm)以上」が基準とされ、それを日本でメートル法に換算したためとされている[4]。ただし、発祥元のひとつであるLocks of Loveでは2021年現在、12インチではなく「10インチ(=25.4cm)以上」を受け入れ条件としている[5]

なお、女児向けのウィッグを作るためには31cmよりもさらに長い髪を必要とするため[6]、受入先の中には、31cmちょうどですぐに切らずに、もっと伸ばせる人は伸ばしてから寄付してほしい、と訴えている団体もある[6][7][8]

頭髪の提供者は女性が中心であるが、男性が提供するケースもある。

活動を行っている日本の団体

下記は例示であり、網羅的な一覧ではないことに注意。

脚注

  1. ^ Locks of Love”. 2021年4月9日閲覧。
  2. ^ “髪を失った子に笑顔を-柴咲コウさんも賛同、切った頭髪でウイッグ提供「ヘアドネーション活動」大阪のNPO法人10年”. 産経WEST. (2018年1月4日). https://www.sankei.com/article/20180104-G4TX6DPITBLL5P32GNT3Y64UQE/ 2018年2月12日閲覧。 
  3. ^ ヘアドネーションという罪。「いいこと」がもたらす社会の歪みについて”. ランドリーボックス. 2022年6月4日閲覧。
  4. ^ 【ヘアドネーション 不安解消マニュアル】長さ (簡単な測り方)・31cm? 15cm? 違い・仕上がり目安・ダメージ毛・お手入れ・年齢・送り方 【まとめ 】 | 美容師 ヨシノブログ”. 2021年4月9日閲覧。
  5. ^ Get involved - Locks of Love”. 2021年4月9日閲覧。
  6. ^ a b NPO法人HERO. “どうして31cm以上なの?”. 2020年9月23日閲覧。
  7. ^ Japan Hair Donation & Charity (2020年5月22日). “【重要】毛髪のご寄付に関する大切なお知らせ(2) 「#31センチからのお願い」”. 2020年9月23日閲覧。
  8. ^ NPO法人HERO (2020年6月5日). “40cm以下の髪の毛受け入れ休止中のお知らせ”. 2020年9月23日閲覧。[リンク切れ]
  9. ^ Japan Hair Donation & Charity(ジャーダック, JHD&C) | ヘアドネーションを通じた社会貢献活動”. 2018年12月12日閲覧。
  10. ^ Hair Donation(ヘアドネーション) | ヘアドネーションならNPO法人HERO”. 2018年12月12日閲覧。
  11. ^ つな髪® | 髪の寄付(ヘアドネーション)で医療用ウィッグを無償提供”. 2018年12月12日閲覧。
  12. ^ 女子高生ヘアドネーション同好会 | 群馬県太田市”. 2021年4月9日閲覧。

関連項目