ピエール・プティ (物理学者)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

2022年10月8日 (土) 00:52; CommonsDelinker (会話 | 投稿記録) による版 (「Pavillon_royal_de_la_France.svg」 を 「Royal_Flag_of_France.svg」 に差し替え(CommonsDelinkerによる。理由:File renamed: Criterion 1 (original uploader’s request) · Original name is misspelled and meaningle)(日時は個人設定で未設定ならUTC

(差分) ← 古い版 | 最新版 (差分) | 新しい版 → (差分)
Pierre Petit
ピエール・プティ
生誕 1598年12月31日[1][2]
又は 1594年12月8日[3]
フランス王国 オーヴェルニュ モンリュソン[1][2]
死没 1677年8月20日[1]
フランス王国 ラニー=シュル=マルヌ[1][2]
居住 フランス王国
研究分野 数学物理学天文学
プロジェクト:人物伝
テンプレートを表示

ピエール・プティ(Pierre Petit、 1598年12月31日[1][2] 又は 1594年12月8日[3] - 1677年8月20日[1])は、フランス数学者物理学者天文学者、装置製作者である。

生涯[編集]

プティは、フランス中部のモンリュソンで、地方官吏の家に、4人兄弟の長男として生まれた[1]数学物理学に才能を示したが、1626年に父親の仕事を受け継いだ[2]

両親が亡くなると、職を辞して官職を売却し、1633年パリへと移る。パリでは、国王の技師として登用され、砲兵の軍政官も務めフランス各地の港を巡検、イタリアにも派遣された。その後は、国王の技術・地理学の顧問官や、要塞管理官などの任に当たっている[1][2]

晩年は、パリ郊外のラニー=シュル=マルヌで過ごし、その地で亡くなった[1][2]

業績[編集]

1671年にプティが発表した論文"Dissertations académiques sur la nature du froid et du chaud"の扉[4]

パリに出たプティは、マラン・メルセンヌを中心とする学者達の集まりに加わり、エティエンヌ・パスカル、ブレーズ・パスカルルネ・デカルトピエール・ド・フェルマーらと親交があった。プティは、デカルトの哲学に強く共鳴し、一方デカルトは、プティの数学・天文学における才能を高く評価している[2]

科学者としてのプティの仕事は、多岐にわたっている。1646年からパスカル父子と共同で、トリチェリ真空実験の再現実験を行ってその真実性を確認し、新たに追試も実施した[2][5]。また、フランス有数の天文機器の収集家で、自身でも装置を製作しており、特に星の視直径を正確に測定するマイクロメータの発明は、ジョヴァンニ・カッシーニによる惑星自転の発見にも一役買った[2][5]。自身の研究としては、日食月食の観測や予報、彗星の観測などを行い、論文に発表した[1][2]

プティはまた、王立協会で設立当時から幹事を務め、1667年4月4日には外国人初の王立協会フェローの一人に選ばれている[5][3]

国王の顧問官を務めていたプティは、フランスの科学研究を発展させるべく、王立天文台などの国家公認の科学機関の創設を訴えていた。しかし、実際にパリ科学アカデミー設立を推進したのは、財務総監コルベールであって、プティはアカデミーの会員にはなっていない[5]

著作[編集]

出典[編集]

  1. ^ a b c d e f g h i j Moréri, Louis (1759), “Partie II. P - Q”, Le grand dictionnaire historique ou Le mélange curieux de l'histoire sacrée et profane, 8, Les libraires associés, pp. 230-231, https://books.google.co.jp/books?id=2mFDAAAAcAAJ&pg=PA230 
  2. ^ a b c d e f g h i j k Nicéron, Jean-Pierre (1729), Mémoires pour servir à l'histoire des hommes illustres dans la république des lettres, 42, Paris: Briasson, pp. 183-195, http://gallica.bnf.fr/ark:/12148/bpt6k1042589c/f213.item 
  3. ^ a b c List of Fellows of the Royal Society 1660-2007” (PDF). Royal Society. 2018年6月15日閲覧。
  4. ^ Petit 1671.
  5. ^ a b c d Pierre Petit”. MacTutor History of Mathematics archive. School of Mathematics and Statistics, University of St Andrews. 2018年6月6日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]