ディスクジャケット
ディスクジャケット (disc jacket) とは、レコード、CD、DVD、BDなどのディスクメディアを収容する紙の外装のこと。
単にジャケット、もしくはメディアに応じてレコードジャケット、CDジャケットなどと呼ばれることが多い。袋状・筒状などになっているときはスリーヴ (sleeve) ともいう。表面を表ジャケット、裏面を裏ジャケットと言うこともある。
ジャケットという語は基本的には包装を指しており、そこに描かれたグラフィックスの中身はカバーアート (cover art) などと言う。ジャケットに印刷された写真のことをジャケット写真(略してジャケ写)と呼ぶことがある。なお「ジャケット」は本来は上着を意味する言葉である。
各メディアのジャケット
- レコード
- LPレコード(アナログレコード)のジャケットは、厚紙などでできたスリーブで、4辺のうち3辺が閉じた袋状になっている。レーベル面が見えるように中央が丸い孔や透明になっているものもある。
- 同様のスリーブジャケットはLDなどでも使われた。しかしCDなどでは、非常に簡素な包装や、私的な保管用を除いてはほとんど使われない。ただし、ケースごと挿入する、紙製で筒状や箱状のジャケットは限定版などの包装としてしばしば使われ、これもスリーヴと呼ばれる。
- シングルレコードのジャケットは、表面にタイトルとジャケット写真が印刷されたものであり、裏面に歌詞や楽譜が印刷されている場合が多い。
- CD
- CDなど音楽ディスクに多いジュエルケースのジャケットは、ケースの透明な蓋の裏に差し込まれる、紙のリーフレット(1枚の紙)またはブックレット(小さな本)である。その表(おもて)面・表紙が特にジャケットと呼ばれ、裏面や内部には歌詞やクレジットなどが書かれる。裏ジャケットは、ケース内部に挟まれていて、ケースを分解しないと取り出せない。シングルCDに多いスリムケースでは、裏ジャケットがなくCDのレーベル面が外から見える。
- DVD・BD
- DVD・BDなど映像ディスクに多いトールケースのジャケットは、ケース本体と透明プラスチックフィルムの間に挟みこまれる、紙のシートである。簡単に取り出せるが通常の使用では取り出すことはない。表・背・裏が1つながりの1枚の紙になっている。
グラフィックデザインとしてのジャケット
ジャケットは、ディスク・パッケージの外見を構成するため、視覚デザイン上最も重要な、ブックデザインでの表紙にあたる要素となる。ジャケット面はディスクを代表するデザインとされ、雑誌やウェブページなどのディスク紹介では、ジャケット面が印刷や表示される。
紙ジャケ
CDなどにおいて、ジュエルケースを使用せずにレコードと同じように厚紙を糊付けしたスリーブ式やゲートフォールド式などにディスクを収納する方式。ディスクはプラスチック製の袋に入れられている。簡素なパッケージの物からレコードのジャケットを完全再現したものなど、ジュエルケースと違い、規格が統一されていないため、多数のバリエーションがある。
デジパック
厚紙のパッケージにプラスチックのトレイを接着したもの。2つ折りや3つ折り式を主流に、多彩なバリエーションがある。
ジャケットサイズ
主に携帯用プレイヤー・録音再生機器においては、投影面積を各メディアのディスクジャケットに近づける試みがなされており、そうした機器では「ジャケットサイズ」が謳われていた。