シロヒレタビラ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。Bcxfubot (会話 | 投稿記録) による 2021年6月16日 (水) 20:59個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (外部リンクの修正 http:// -> https:// (web.archive.org) (Botによる編集))であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

シロヒレタビラ
婚姻色を呈するシロヒレタビラのオス(三重県)
保全状況評価
絶滅危惧IB類環境省レッドリスト
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
亜綱 : 新鰭亜綱 Neopterygii
上目 : 骨鰾上目 Ostariophysi
: コイ目 Cypriniformes
上科 : コイ上科 Cyprinoidea
: コイ科 Cyprinidae
亜科 : タナゴ亜科 Acheilognathinae
: タナゴ属 Acheilognathus
: A. tabira
亜種 : シロヒレタビラ A. t. tabira
学名
Acheilognathus tabira tabira
Jordan and Tompson, 1914
和名
シロヒレタビラ

シロヒレタビラ (白鰭田平、Acheilognathus tabira tabira) は、コイ目コイ科タナゴ亜科タナゴ属に属する淡水魚である。種小名、亜種名は、日本語でタナゴを意味する「タビラ」に由来する[1]

形態

  • 全長は約10cm[1]
  • 背鰭の軟条は9-11分岐[2]
  • 日本に生息するタビラ5亜種の中では最も体高が高い[3]
  • 琵琶湖産の本亜種の鰭は黄色みを帯びる[2]

繁殖期のオスは、腹鰭と臀鰭の基部は黒く、外縁は白くなり、背側には濃い青を発色し、腹側には薄いピンクを帯びる[2]

よく似た種

婚姻色が出ていない時期は、同所に生息する「ヤリタナゴ」とよく似る。 両種は外見上酷似しているが、

  • ヒゲの長さは、本亜種はヤリタナゴより短い。
  • 背鰭の鰭膜には、本亜種は黒斑が並んでいない。

といった相違点がある。[1]

生態

雑食だが、植物食の傾向が強く、付着藻類を主に[3]イトミミズなどを食べる。

水深70cm以深[2]水草や岩などの障害物が多い場所に生息し[3]琵琶湖では水深30-40mまで観察されている[3]。底層を好むタビラ5亜種の中で最も深い場所を好む[2]

産卵は4-9月頃[3]に1-2回[2]行う。鶏卵形の卵を1-10数個程、イシガイタテボシガイマツカサガイなど流水性の淡水二枚貝に産むが、産地により好む産卵母貝が異なり、三重県櫛田川付近ではオバエボシガイ、岡山県旭川付近ではカタハガイを利用する[3]。繁殖期のオスは気性が荒く、広い縄張りを主張する[3]

受精後2日程で孵化し、約1ヶ月で8mm程に成長し、産卵母貝から出て行く[3]。1年で4-5cm、2年で6-8cmに成長し、成熟する[3]

分布

濃尾平野、琵琶湖・淀川水系と岡山県高梁川水系以東の山陽地方、徳島県に分布する[4]。人為移入による青森県、島根県にも分布する[4]

亜種

シロヒレタビラなどは、かつてはタビラとして1種にまとめられていたが、以下の5亜種に分けられた。

脚注

  1. ^ a b c 佐土・松沢(2011) 18頁.
  2. ^ a b c d e f 赤井ほか(2009) 48頁.
  3. ^ a b c d e f g h i 佐土・松沢(2011) 19頁.
  4. ^ a b シロヒレタビラ 侵入生物DB”. 国立環境研究所. 2019年8月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年8月15日閲覧。
  5. ^ 熊谷正裕, 萩原富司、「青森県で確認されたアカヒレタビラAcheilognathus tabira erythropterusとシロヒレタビラA. t. tabira」 伊豆沼・内沼研究報告 2013年 7巻 p.17-22, doi:10.20745/izu.7.0_17

参考文献

外部リンク

関連項目