コマガタケスグリ

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コマガタケスグリ
福島県燧ケ岳 2011年7月
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : コア真正双子葉類 core eudicots
: ユキノシタ目 Saxifragales
: スグリ科 Grossulariaceae
: スグリ属 Ribes
: コマガタケスグリ R. japonicum
学名
Ribes japonicum
Maxim.
和名
コマガタケスグリ(駒ケ岳酸塊)

コマガタケスグリ(駒ケ岳酸塊[1]、学名:Ribes japonicum)はスグリ科スグリ属落葉低木

特徴[編集]

樹高は1.5mになり、がまばらに分枝する。の中央にができ、古くなると枝は中空になる。若い枝には軟毛が散生し、樹皮は暗紫褐色になる。はふつう前年枝の先端や上方の葉腋から出る。葉柄は長さ5-15cmになり、軟毛が生え、基部に長い羽状毛が生える。葉身は長さ、幅とも7-15cmになり、腎円形で掌状に5中裂し、縁は粗い重鋸歯になり[2]、先端はとがる。裏面には黄色の腺点がある。

花期は5-7月。葉の展開と同時に、長さ10-20cmになる総状花序を前年枝の葉腋から多数だし、垂れ下がる。は両性。は5裂し、直径1cmになり、色ははじめ黄緑色から赤紫色になり[2]、5個の萼片が花弁にみえる[1]。花弁は5個で白色、萼片より小さく長さは1.5-2mmになる。雄蘂は5個。花柱は2裂する。果実は直径8mmの液果となり、7-8月に赤黒色に熟し[2]食用となる[1]

分布と生育環境[編集]

日本固有種[2]で、北海道、本州中部地方以北、四国に分布し、山地帯から亜高山帯にかけた、針葉樹林内の渓流沿いや林縁など[1]に生育する。

和名の由来は、木曽駒ヶ岳で発見されたことによる[2]

ギャラリー[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b c d 豊国秀夫編『山渓カラー名鑑 日本の高山植物』(1988年)山と溪谷社
  2. ^ a b c d e 茂木透、太田和夫他『樹に咲く花(離弁花2) 山溪ハンディ図鑑4』(2000年)山と溪谷社

参考文献[編集]