ケン・バウ

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ケン・バウ

ケン・バウベトナム語:kèn bầu/𥱲瓢)はケンの一種である。ベトナム複簧管楽器である。様々な大きさがあり、主にフエ宮廷音楽の中で用いられてきた。

構造[編集]

ケン・バウは、硬木でできた円錐形の胴に7つの指穴を持つ。パラミツで作られる瓢箪型のベルは取り外しができ、その点で中国韓国の類似の楽器とは異なる。吹口の方の端には、複簧を取り付けるための小さな真鍮管を備える。

演奏[編集]

ベトナムの伝統的な葬式。左がケン・バウ

演奏には循環呼吸が用いられる。また、広いビブラートポルタメントといった様々な奏法も用いられる。

語源[編集]

ケンは複簧管楽器、バウは瓢箪を意味する。瓢箪とはすなわち、この楽器のベルの形状のことである。ベトナムのツィター属の単弦楽器ダン・バウも、以前は素材に瓜が用いられていたことからバウの語が入っている。

演奏者[編集]

Trần Thảoは著名なケン・バウ奏者である。Trần Thảoはフエのニャー・ニャック楽団を率いており、国際的な演奏旅行も行った。Trần Thảoは宮廷音楽の名家の血筋である。

関連項目[編集]