ポルタメント

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ポルタメント (portamento ) は、ある音から別の音に移る際に、滑らかに徐々に音程を変えながら移る演奏技法である。イタリア語の"portar' la voce "、フランス語の"port de voix "(いずれも「声を運ぶ」の意味)に由来し、声楽ヴァイオリンなど擦弦楽器の表現方法であった。現在は管楽器や電子楽器でも使用される。旋律を情感豊かに歌うために使用されるが、乱用は悪趣味であるとされる[1]

記譜方法[編集]

記譜されていなくても、奏者の判断でポルタメントをかけることが基本である[1]。作曲家がポルタメントを指定する場合は、連結させたい2音をスラーで結び、"port." の指示を加える、もしくは、到達音の直前に2度下の小音符を記入する。

奏法[編集]

技術的にはグリッサンドと全く同じである。 トロンボーンでは呼気を切らずにスライドを伸縮したり、尺八では徐々に指孔を拡げることで、弦楽器ではバイオリン三味線一絃琴などは弦の上で指を滑らせたり、またはシタールなどでは指で押さえる張力を変えて、行うことができる。ギターではチョーキングスライドギターなどの奏法を使う。シンセサイザーでは、ほとんどの機種に搭載されオンオフで切り替えられる。

特に邦楽、インド音楽、中国音楽などアジアの芸術音楽では多用され、重要な音楽表現技法である。

グリッサンドとの区別[編集]

グリッサンドと同一視されることも多いが、区別すれば、グリッサンドがおおむね、2音間を等速に移行するのに対し、ポルタメントでは、次の音に移る寸前に渡りをつけるようにして移行する[2]

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b 『標準音楽辞典』音楽之友社、1966年
  2. ^ 『音楽通論』教育芸術社、1994年、63~64ページ