ケプラー30
ケプラー30(英語:Kepler-30)とは地球からこと座の方向に4566光年(約1400パーセク)離れたところにあるG型主系列星である。
恒星
太陽 | ケプラー30 |
---|---|
ケプラー30は質量が太陽の0.99倍、半径が太陽の0.95倍である。表面温度は5498K(5225℃)と太陽(5778K、5505℃)よりやや冷たい。見た目の明るさは15等級と非常に暗い為、観測するには望遠鏡が必要となる。
惑星系
2011年、NASAが打ち上げた宇宙望遠鏡、ケプラーによりケプラー30に3つの太陽系外惑星が発見された。ケプラー30に最も近いケプラー30bは地球の11.3倍の質量と地球の3.9倍の半径を持つ。この数値からケプラー30bは海王星サイズのガス惑星とされている。ケプラー30cは木星の2倍の質量と木星の1.12倍の半径を持つ巨大ガス惑星とされている。ケプラー30から最も遠い軌道を公転しているケプラー30dも地球の23倍の質量と地球の8.8倍の半径を持つ巨大ガス惑星とされている。半径に対して質量がかなり小さいため、密度は190kg/m3と非常に小さい。これらの惑星は史上初めて軌道面がほぼ揃った惑星系であることで知られている。太陽系のような軌道面が揃った太陽系外惑星の惑星系では珍しく、ケプラー30の惑星系が発見されるまではほとんどが十数度以上傾いたものだった。この発見は当時以前まで発見が相次いでいたホット・ジュピターと呼ばれるタイプの太陽系外惑星の形成シナリオを上手く説明できるとして注目された。ホット・ジュピターとは恒星からわずか数百万kmの距離を公転している巨大ガス惑星の事である。ホット・ジュピターは非常に傾いた軌道を持つ事が多い。これは誕生して間もなく惑星系が不安定なころの惑星系で数個の巨大惑星が集まり、他の惑星を外周や内周へ吹き飛ばしたことによるものと考えられる。恒星から十分離れたところにある惑星系が太陽系のような揃った軌道であることを示せば、この説の信頼性がより増す事になる[1]。
名称 (恒星に近い順) |
質量 | 軌道長半径 (天文単位) |
公転周期 (日) |
軌道離心率 | 軌道傾斜角 | 半径 |
---|---|---|---|---|---|---|
b | 11.3 M⊕ | 0.18 | 29.33434 | 0.042 | 90.179° | 3.9 R⊕ |
c | 2.01 MJ | 0.3 | 60.323105 | 0.011 | 90.323° | 1.12 RJ |
d | 23 M⊕ | 0.5 | 143.34394 | 0.022 | 89.841° | 0.785 RJ |
参考文献
- ^ “太陽系以外では初、軌道が揃った惑星系 アストロアーツ”. AstroArts (2012年7月26日). 2015年4月19日閲覧。
- ^ “Kepler Discoveies Table”. NASA (2015年7月23日). 2015年4月19日閲覧。
- ^ “Open Exoplanet Catalogue -- KOI-806.01”. Open Exoplanet Catalogue (2012年1月26日). 2015年4月19日閲覧。