E・C・タブ
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(グレゴリイ・カーンから転送)
E・C・タブ(E. C. Tubb)ことエドウィン・チャールズ・タブ(Edwin Charles Tubb; 1919年10月15日[1] - 2010年9月10日[2])は、イギリスの小説家、SF作家。
略歴
[編集]小学校卒業後から様々な職を転々する中、戦前からSFを書き始め、1951年に「ニュー・ワールズ」誌から短編"No Short Cuts"でデビュー[1]。それ以降は50以上[3]のペンネームの下にSF、ミステリ、西部小説など[1]大量の娯楽小説を執筆した。1972年の時点で、上梓した長編は102、短編は数百あった[3]。編集者の経験もある(1956年から1957年にかけ、イギリスの「オーセンティック・サイエンス・フィクション」誌を編集)[1][3]。
日本では「デュマレスト・サーガ」 (The Dumarest Saga) の作者として知られている。
また、グレゴリイ・カーン (Gregory Kern) 名義の作品では、アメリカのDAWブックスから刊行したスペースオペラ「キャプテン・ケネディ」シリーズが知られている。カーンの名義はこのシリーズ用のペンネームで、当初その正体がタブであることは秘密にされた[4]。
作品リスト
[編集]デュマレスト・サーガ
[編集]- 『嵐の惑星ガース』(The Winds of Gath (1967)、鎌田三平訳、創元推理文庫) 1982、新装版(創元SF文庫) 2006
- 『夢見る惑星フォルゴーン』(Derai (1968)、大西憲訳、創元推理文庫) 1982、新装版(創元SF文庫) 2006
- 『迷宮惑星トイ』(Toyman (1969)、酒井昭伸訳、創元推理文庫) 1982、新装版(創元SF文庫) 2006
- 『共生惑星ソリス』(Kalin (1969)、佐治弓子訳、創元推理文庫) 1982、新装版(創元SF文庫) 2006
- 『キノコの惑星スカー』(The Jester at Scar (1970)、鎌田三平訳、創元推理文庫) 1982、新装版(創元SF文庫) 2006
- 『聖なる惑星シュライン』(Lallia (1971)、大西憲訳、創元推理文庫) 1982
- 『科学惑星テクノス』(Technos (1972)、酒井昭伸訳、創元推理文庫) 1983
- 『植民惑星ドラデア』(Veruchia (1973)、沢万里子訳、創元推理文庫) 1983
- 『幻影惑星トーマイル』(Mayenne (1973)、鎌田三平訳、創元推理文庫) 1983
- 『誘拐惑星オウレル』(Jondelle (1973)、大西憲訳、創元推理文庫) 1983
- 『流血惑星チャード』(Zenya (1974)、酒井昭伸訳、創元推理文庫) 1983
- 『テクノ惑星カモラード』(Eloise (1975)、沢万里子訳、創元推理文庫) 1983
- 『秘教の惑星ナース』(Eye of the Zodiac (1975)、鎌田三平訳、創元推理文庫) 1983
- 『虚像惑星バラドーラ』(Jack of Swords (1976)、佐治弓子訳、創元推理文庫) 1983
- 『悪夢の惑星ホーガン』(Spectrum of a Forgotten Sun (1976)、大西憲訳、創元推理文庫) 1983
- 『野望の惑星ハラルド』(Haven of Darkness (1977)、沢万里子訳、創元推理文庫) 1983
- 『死霊の惑星ザキム』(Prison of Night (1977)、鎌田三平訳、創元推理文庫) 1983
- 『希望の惑星アス』(Incident on Ath (1978)、大西憲訳、創元推理文庫) 1983
- 『砂漠の惑星ハージ』(Web of Sand (1979)、沢万里子訳、創元推理文庫) 1984
- 『刺客の惑星ヒアカーヌ』(The Quillian Sector (1978)、佐治弓子訳、創元推理文庫) 1984
- 『空想惑星エスリン』(Iduna's Universe (1979)、鎌田三平訳、創元推理文庫) 1984
- 『秘薬の惑星エリシウス』(The Terra Data (1980)、大西憲訳、創元推理文庫) 1984
- 『異形の惑星クルディップ』(World of Promise (1980)、大西憲訳、創元推理文庫) 1984
- 『天翔ける惑星ザブル』 (The Terridae (1981)、鎌田三平訳、創元推理文庫) 1984
- 『女帝の惑星ジュールダン』(The Coming Event (1982)、大西憲訳、創元推理文庫) 1985
- 『真珠の惑星サカウィーナ』(Nector of Heaven (1981)、沢万里子訳、創元推理文庫) 1985
- 『鳥人の惑星ヘヴン』(Earth Is Heaven (1982)、鎌田三平訳、創元推理文庫) 1985
- 『超能力惑星バーツ』(Melome (1983)、佐治弓子訳、創元推理文庫) 1986
- 『遊民の惑星ライカン』(Angado (1984)、大西憲訳、創元推理文庫) 1986
- 『生命の惑星カスケード』(Symbol of Terra(1984)、大西憲訳、創元推理文庫) 1987
- 『最後の惑星ラニアン』(The Temple of Truth (1985)、大西憲訳、創元推理文庫) 1989
- "The Return" (1997) - 未訳
- "Child of Earth" (2008) - 未訳
原作では『サカウィーナ』が『ザブル』の前、『ヒカアーヌ』が『ハージ』の前に来る。
- 『巨大コンピューターの謎 - デュマレスト・ゲームブック』(TTG, 安田均共著、創元推理文庫、スーパーアドベンチャーゲーム) 1986
- 『惑星不時着 - デュマレスト・ゲームブック』(グループSNE, 安田均共著、創元推理文庫、スーパーアドベンチャーゲーム) 1988
日本語訳された短編
[編集]- 「明朝の壺」(Ming Vase、宇野利泰訳、ジュディス・メリル編『年刊SF傑作選4』(創元推理文庫)に収載)
- 「青二才」(Fresh Guy、野口迪子訳、『アンソロジー・恐怖と幻想 第1巻』(月刊ペン社)にE・C・タッブ名で収載)
- 「悪魔は時代おくれ」(Return Visit、浅羽莢子訳、ミステリマガジン 1979年9月号 No.281に収載)
- 「ルシファー!」(Lucifer!、中村融訳、スティーヴン・キング, ベヴ・ヴィンセント編、『死んだら飛べる』(竹書房文庫)に収載)
グレゴリイ・カーン名義
[編集]「キャプテン・ケネディ」シリーズ。全17作
- 『異次元の陥穽」(Galaxy of The Lost (1973)、小隅黎訳、ハヤカワSF文庫)
- 『サーガンの奴隷船」(Slave Ship from Sergan (1973)、小隅黎訳、ハヤカワSF文庫)
- 『メテラーゼの邪神」(Monster of Metelaze (1973)、小隅黎訳、ハヤカワSF文庫)
- 『惑星メラーの魔薬」(Enemy within The Skull (1974)、小隅黎訳、ハヤカワSF文庫)
- 『ジャーレンの秘宝」(Jewel of Jarhen (1974)、小隅黎訳、ハヤカワSF文庫)
- Seetee Alert! (1974)、未訳
- The Gholan Gate (1974)、未訳
- Eater of Worlds (1974)、未訳
- Earth Enslaved (1974)、未訳
- Planet of Dread (1974)、未訳
- The Spawn of Laban (1974)、未訳
- The Genetic Buccaneer (1974)、未訳
- A World Aflame (1974)、未訳
- Ghost of Epidoris (1975)、未訳
- Mimics of Dephene (1975)、未訳
- Beyond the Galactic Lens (1975)、未訳
- The Galactiad (1983)、未訳