エチレンジアミン

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エチレンジアミン
構造式 エチレンジアミン
IUPAC名エタン-1,2-ジアミン
別名1,2-ジアミノエタン
1,2-エタンジアミン
ジメチレンジアミン
分子式C2H8N2
分子量60.10
CAS登録番号107-15-3
形状無色透明の液体
密度0.9 g/cm3, 液体
相対蒸気密度2.1(空気 = 1)
融点8.5 °C
沸点117 °C
SMILESNCCN
出典国際化学物質安全性カード

エチレンジアミン (ethylenediamine) は、示性式 (CH2)2(NH2)2 で表される有機化合物である。分子量 60.11 のアンモニア臭のある無色の液体で、略号は EDAアルコールと任意に混ざりあう。

ポリエチレンアミン

エチレンジアミンはエチレングリコールの類縁体であり、ポリエチレングリコールのようにポリエチレンアミンを形成することができる。ポリエチレンアミン類の一般式は NH2(CH2CH2NH)nH で表される。

n 日本語名 英語名 略号
1 エチレンジアミン Ethylenediamine EDA
2 ジエチレントリアミン Diethylenetriamine DETA
3 トリエチレンテトラミン Triethylenetetramine TETA
4 テトラエチレンペンタミン Tetraethylenepentamine TEPA
5 ペンタエチレンエキサミン Pentaethylenehexamine PEHA

合成

エチレンジアミンはアンモニア1,2-ジクロロエタンとの反応により合成する。この時、直鎖、分岐、環状のポリアミンが同時に生成する。

利用

エチレンジアミンはアルブミンカゼインなどのタンパク質に対する溶媒、電気メッキ槽、繊維の滑剤、ラテックスエマルションの安定化、ポリアミドの接着剤などとして使用される。また塗料や冷却材などの防腐剤としても用いられる。

エチレンジアミンはキレートを形成する化合物である。医学の分野では、エチレンジアミンは様々な薬剤の合成において(例:アミノフィリン抗ヒスタミン薬など)化学的安定化剤として使用されている。

エチレンジアミンは工業化学の場においても大量に用いられている。反応性が高く、

などと様々な化合物を生成する。

またエチレンジアミンが重要な前駆体となる化合物もある。例としてエチレンジアミン四酢酸 (EDTA)、カラー写真の現像剤、プラスチックの成形や加工の際の潤滑剤、燃料の添加剤、カルバメート系殺菌剤、接着剤、柔軟仕上げ剤、界面活性剤、エポキシ樹脂硬化剤、色素などが挙げられる。