イワガラミ

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イワガラミ
福島県会津地方 2008年6月
分類
: 植物界 Plantae
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
階級なし : コア真正双子葉類 Core eudicots
階級なし : キク類 Asterids
: ミズキ目 Cornales
: アジサイ科 Hydrangeaceae
: イワガラミ属 Schizophragma
: イワガラミ S. hydrangeoides
学名
Hydrangea hydrangeoides (Siebold et Zucc.) B.Schulz[1]
シノニム
和名
イワガラミ(岩絡み)

イワガラミ(岩絡み[3]学名Schizophragma hydrangeoides )は、アジサイ科イワガラミ属[注 1]落葉つる性木本。別名はユキカズラ[1]

分布と生育環境

日本朝鮮半島に分布し、日本では北海道本州四国九州に分布する[4]。山地の岩崖や林縁に自生する[3]

特徴

つる性の落葉木本で、名前のとおり、幹や枝から気根を出して高木や岩崖に付着し[4]、絡みながら這い登り[3]、高さ10 - 15メートル (m) くらいになる。山地の道路法面を上から這い下がる場合もある。大きな株では、つるの直径は5センチメートル (cm) を超え、樹皮も厚くなる[4]。樹皮は灰色で、太い幹には縦に裂け目が出来るが、樹皮は剥がれない[3]。枝先には短毛が生え、皮目は少ない[3]には葉柄があり、枝に対生し、形は広卵形で10 cmほどで、葉の先端は尖り、葉縁鋸歯はまばらになる。葉柄は長く、褐色の毛が生えている[4]

花期は5 - 7月で、小さなややクリーム色の両性花が集まる花序のまわりに、大きな白色の装飾花が縁どる[4]。装飾花は花弁状の萼片が1枚しかない。果実は、装飾花の萼片が1枚ついたまま冬まで枝に残っている[3]

冬芽は卵形から円筒形で、4 - 6枚の毛の生えた芽鱗に覆われる[3]。頂芽のすぐ下には頂生側芽がある[3]。側芽は、小枝に90度ずつずれてつく十字対生する[3]。側芽の下につく葉痕は三角形で、維管束痕は3個つく[3]

遠目からよく似るツルアジサイは装飾花の萼片が4枚で、イワガラミのほうが葉の鋸歯が粗く、装飾花も目立つ[4]

脚注

注釈

  1. ^ APG体系クロンキスト体系ではアジサイ科 (Hydrangeaceae) に分類されるが、古いエングラー体系ではユキノシタ科 (Saxifragaceae) に分類されていた[1]

出典

参考文献

  • 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文『樹皮と冬芽:四季を通じて樹木を観察する 431種』誠文堂新光社〈ネイチャーウォチングガイドブック〉、2014年10月10日、91頁。ISBN 978-4-416-61438-9 
  • 平野隆久監修 永岡書店編『樹木ガイドブック』永岡書店、1997年5月10日、204頁。ISBN 4-522-21557-6