花の歌 (アリア)
「花の歌」(はなのうた、英: Flower Song、仏: Air de la fleur)は、ジョルジュ・ビゼー作曲のオペラ『カルメン』の第2幕で、ドン・ホセ(テノール)によって歌われるアリアの通称である。冒頭の歌詞から「おまえの投げたこの花を」(仏:La fleur que tu m'avais jetée)の題名でも呼ばれる。形式上は二重唱の一部だが、単独のアリアとしてよく取り上げられる[1]。
第2幕の後半に置かれたカルメンとドン・ホセの長い二重唱の場面で、帰営ラッパに気づいて兵営に戻ろうとするドン・ホセに、カルメンは愛を疑う言葉をかける。対してドン・ホセは二人が初めて出会ったとき(第1幕、「ハバネラ」の場面)に受け取った花を取り出し、改めて愛を歌う[2][1]。
アンダンティーノ、4/4拍子、変ニ長調。演奏時間は4分程度。コーラングレが奏する「運命の動機」に続いて、「愛をもって」(con amore) と指示された歌が始まる。未完のオペラ『グリゼリディス』(Grisélidis)のためのスケッチを再利用し新しく歌詞をあてはめたものだが、グノーの影響にビゼーの才能による筆致が添えられた[2]旋律は「ビゼーのもっとも完璧な創造物の一つ」と評される[3]。
歌詞
[編集]フランス語(原詞) | 日本語訳 |
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La fleur que tu m'avais jetée |
おまえが投げた この花を |
注釈
[編集]- ^ a b 石戸谷結子「カルメン」『『スタンダード・オペラ鑑賞ブック 5 フランス&ロシアオペラ+オペレッタ』音楽之友社、1998年。pp. 93-94.
- ^ a b Hugh Macdonald「カルメン」スタンリー・セイディ編、日本語版監修:中矢一義・土田英三郎『新グローヴオペラ事典』白水社、2006年。pp. 265-270.
- ^ Hugh Maconald, Bizet. Oxford University Press, 2014. p. 219.
外部リンク
[編集]- カルメンの楽譜 - 国際楽譜ライブラリープロジェクト
- Georges Bizet ビゼー - オペラ対訳プロジェクト