VBZ Be 4/4形電車 Karpfen

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チューリッヒ市交通局Be4/4形電車
Karpfen
5系統で運行中のBe 4/4
基本情報
運用者 チューリッヒ市交通局
製造所 SWS (Be 4/4)
SIG (B 4)
MFO (電気機器)
製造年 1959年 - 1960年
主要諸元
軌間 1,000 mm
電気方式 直流600V
車両定員 81人(座席32人)Be 4/4
89人(座席32人)B 4
車両重量 23.0t (Be 4/4)
11.0t (B 4)
長さ 13,950 mm
2,200 mm
高さ 4,000 mm (Be 4/4)
3410mm (B 4)
出力 63 kW × 4
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Be 4/4 Karpfen はスイスのVBZ(チューリッヒ市交通局)が1959年から導入した路面電車である。

概要[編集]

1959年から1960年にスイス標準トラム[1]の Be 4/4 の後継として導入された。この形式から VBZ 独自設計の車両になっている。愛称は Karpfen[2]で、前頭部の独特の形状から由来する。

当初よりトレーラとの2両編成で使用することを想定し、カルダン駆動で63kWの電動機を4個装備、トレーラは同一寸法、同一デザインのものが同時に製造された。VBZの路線も終端部がループ線となっているため、運転台は片方の側のみである。また、乗降扉も進行方向右側にしかない。

番号[編集]

Be 4/4 1416~1430[3]
運転台付きの3扉車で、1959年に1416・1417・1419・1420が、1960年に1418・1421~1430がSWS(電気機器はMFO)で製造された。製造時から1985年までは菱形のパンタグラフを装備していたが、その後シングルアーム型パンタグラフに交換されている。
B 4 771~786
Be 4/4 と同一デザインの付随車で、1959年に772~775が、1960年に771・776~786が SIGで製造された。771~785は Be 4/4 1416~1430と連結することを前提にしていたが、1両余分の786は Be 6/6 1701と連結することを予定して特別な装備を持っていた。付随車としては最初の3扉車である。

運用と廃車[編集]

Be 4/4 + B4 の編成で各系統で運用されたが、Be 5/6 Cobraの投入により2006年12月で全車が運用を離脱[4]し廃車となった。これにより、ボギー車がトレーラを牽引する伝統的なトラムの運行形態は、チューリヒでは全廃[5]となった。

廃車後は、チューリヒトラム博物館(Tram Museum Zürich)に動態保存された1編成を除き、2007年にウクライナヴィーンヌィツャ市に売却された。

外部リンク[編集]

関連項目[編集]

参考文献[編集]

  • Peter Kamm "Zürich Transport 1882-1996", Aktion Pro Sächsitram, 1996

脚注[編集]

  1. ^ アメリカでPCCカーが開発されたことを受け、1930年代の後半から開発が始まった。PCCカーと同様のカルダン駆動の高性能車で、チューリヒの他にベルンバーゼルジュネーヴルツェルンの各都市で使用された。
  2. ^ 鯉の意。スイスの旧方式の形式名では、用途、全軸数と駆動軸数が同一ならば区別できないため、愛称で区別する場合がある。
  3. ^ 番号は形式に関係なく連番が振られている
  4. ^ 最後に運行されていたのは6系統。
  5. ^ 連接車がトレーラを牽引する運行は4系統で残存した。