Phrack

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Phrack(フラック)は、アンダーグラウンド系のオンラインマガジンである。

概要[編集]

1985年11月17日に創刊され、不定期刊行、無料公開されているオンラインマガジンである。マガジンの名称が、アンダーグラウンド用語のphrack(フラック)phreack(フリーク)クラック(crack)ハック(hack)に由来することから判るように、内容はアンダーグラウンド向けの情報となっている。また、記事の守備範囲も単にシステムハック関連の話題に限定されず、ソーシャル・エンジニアリング関連の記事、トーク的な記事、アンダーグラウンド業界話といったように、広範囲に渡る。システム関連の記事では、初期は電話系やUnix系が多かったが、後年はWindows系も多く見られる。

著者陣も有名なハッカーで構成されており、l0phtやAleph Oneなども執筆に関わっていた。

2005年(63号発刊時)に一時廃刊の話が挙がった[1][2][3]が、その後も断続的にではあるが刊行されており、2013年9月現在、68号まで発刊されている。

内容[編集]

各号は10 - 20程度の記事で構成されている。号(英: issue)番号および記事(英: article)番号は、ウェブリンクなどでは10進で記されているが、記事本体には16進で記されていることもある。

定番記事[編集]

頻出する定番記事は以下の通り。

Introduction - 導入
各号の冒頭記事に位置付けられている。What's new的な話、目次、PGP署名などで構成される。また、廃刊告知もここで行なわれた。
Loopback
各号の第2記事にくることが多い。読者の声に相当する。
Linenoise
Loopbackに続くことが多い。読者から寄せられた、記事の体裁をなしているものを一まとめの記事としたものである。
Phrack Prophile
スタッフ紹介である。身長や体重などといった、アンダーグラウンドに関わらない詳細な情報まで記載されていることもある。
Phrack World News / International scenes - 各国事情
各国のアンダーグラウンド事情、近年のアンダーグラウンド事情がまとめられている記事である。第58号では日本の警察についても触れられている。
extract.c
extractと呼ばれるプログラムのソースコードが記された記事で、第50号から一時期付けられていた。引数に指定されたファイルの中から、<++>と書かれた行と<-->と書かれた行を見つけ出し、その間の内容を一つのファイルとして書き出す(書き出し先ファイル名は<++>の直後に指定されているものとみなす)というプログラムである。記事の性質上、システムハックに関するプログラムが付けられていることがあり、その場合はこのプログラムを使うとプログラムだけを別ファイルに切り出すことが可能となる。
C言語PerlAWKsharPythonなど、複数言語のソースコードも本マガジンで提供されており、これらのソースコードもこの記事に対してextractを掛けることで生成可能となっている。また、ファイル名の後にチェックサムを記述することで、チェックサム機能を有するバージョンも存在する。

各号の主な内容[編集]

号数 発刊日 主な内容 備考
1 1985年11月17日
2 1986年1月1日
3 1986年2月1日
4 1986年3月13日
5 1986年4月18日
6 1986年6月10日
7 1986年9月25日
8 1986年11月1日
9 1986年12月1日
10 1987年1月1日
11 1987年2月17日
12 1987年3月29日
13 1987年4月1日
14 1987年7月28日
15 1987年8月7日
16 1987年11月1日
17 1988年4月7日
18 1988年6月7日
19 1988年9月1日
20 1988年10月12日
21 1988年11月4日
22 1988年12月23日
23 1989年1月25日
24 1989年2月25日
25 1989年3月29日
26 1989年4月25日
27 1989年5月20日
28 1989年10月7日
29 1989年11月17日
30 1989年12月24日
31 1990年5月28日
32 1990年11月17日
33 1991年9月15日
34 1991年10月13日
35 1991年11月17日
36 1991年12月31日
37 1992年3月1日
38 1992年4月26日
39 1992年6月26日
40 1992年8月1日
41 1992年12月31日
42 1993年3月1日
43 1993年7月1日
44 1993年11月17日
45 1994年3月30日
46 1994年9月20日
47 1995年4月15日
48 1996年9月1日
49 1996年11月8日

15 - SYNフラグを用いないポートスキャン手法

50 1997年4月9日
51 1997年9月1日

11 - nmapの誕生

52 1998年1月26日
53 1998年7月8日

7 - Windows用ステルスキーロガー
8 - T/TCPの脆弱性
13 - ポートスキャン検出ツール

54 1998年12月25日

9 - TCP/IP Stack Fingerprinting(nmap関連)

55 1999年9月9日
56 2000年5月1日
57 2001年8月11日
58 2001年12月28日 日本警察についても触れられている
59 2002年7月28日

7 - 書式文字列攻撃
14 - Linuxカーネルキーロガー

60 2002年12月28日

13 - 低価格で持ち運び可能なGPSジャマー

61 2003年8月13日

7 - Linuxページフォールトハンドラのハイジャック
9 - ポリモルフィックシェルコードエンジン
10 - ローダブルカーネルモジュールへのインジェクション
11 - Unicode-proofなシェルコード

62 2004年7月13日

5 - Windowsバッファオーバーフロー保護の回避
6 - Windows NTのカーネルモードバックドア
9 - UTF-8シェルコード
10 - Apacheモジュールへの攻撃
13 - Windowsパーソナルファイアーウォールの突破

Windows特集号
63 2005年8月1日

6 - Windows CEハッキング

一時、廃刊と発表された際の最終号である
64 2007年5月27日

8 - 自動的な脆弱性監査

廃刊発表後、一新してTCLHが監修を努めている
65 2008年4月11日

4 - ステルスフッキング(Windowsカーネルを突破する別の方法)

66 2009年6月11日
67 2010年11月17日
68 2012年4月14日 最新刊

主な執筆者[編集]

L0pht
Aleph Oneen
TCLH - The Circle of Lost Hackers

脚注[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]