JFEスチール知多製造所

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JFEスチール知多製造所 出入口

座標: 北緯34度52分9秒 東経136度55分42.4秒 / 北緯34.86917度 東経136.928444度 / 34.86917; 136.928444 JFEスチール知多製造所(ジェイエフイースチールちたせいぞうしょ)は、日本の大手鉄鋼メーカー・JFEスチール株式会社が運営する工場である。愛知県半田市に位置する。

概要

西日本製鉄所東日本製鉄所に次ぐ、JFEスチール3番目の拠点である。敷地は衣浦港に面し、半田市川崎町一丁目〜四丁目、知多郡武豊町七号地・九号地にかけて広がるが、製造所の所在地は半田市川崎町一丁目1番地とされる。

知多製造所は、状の、すなわち鋼管の生産拠点である。様々な種類がある鋼管のうち、シームレス鋼管(継目無鋼管)と電縫鋼管の2種類を生産する。JFEスチールではアーク溶接鋼管鍛接鋼管も生産するが、知多製造所では生産していない。また、圧延作業に使用されるロール(圧延ロール)を始めとする鋳造品の生産も行う。鋳造品を生産するために原料の鋳鉄を溶解する電気炉誘導炉)は持つが、鋼管の素材となる半製品は生産していない。西日本・東日本両製鉄所は高炉を始めとする製銑工程や次工程の製鋼工程を持つ銑鋼一貫製鉄所だが、知多製造所はそれらを持たないため、鋼管の素材はそれらの製鉄所から供給される。なお電気炉があるため、わずかながら粗鋼の生産がある[1]

JFEスチールは2003年川崎製鉄日本鋼管が統合して発足した企業だが、知多製造所は元々川崎製鉄の工場である。開設されたのは川崎製鉄がまだ川崎重工業の鉄鋼部門であった1943年のことで、戦後の1946年から鋳造品の生産を開始した。しばらく鋳造品の生産拠点であったが、1961年から鋼管の生産を始めている。

沿革

  • 1943年8月13日 - 川崎重工業の「知多工場」として開設。
  • 1945年2月 - 電気炉を新設。他工場に供給する半製品の生産を開始。
  • 1946年12月 - 鋳造品の生産を開始。
  • 1950年8月7日 - 川崎製鉄発足、同社知多工場に。
  • 1956年4月 - 小形棒鋼の生産を開始。
  • 1961年5月 - スパイラル鋼管の生産を開始。
  • 1964年5月 - 電縫鋼管の生産を開始。
  • 1966年4月 - 水島製鉄所(現・西日本製鉄所)の拡充に伴い、小形棒鋼の生産を終了。
  • 1970年6月 - シームレス鋼管の生産を開始。
  • 1979年10月 - 「知多製造所」に改称。
  • 2003年4月1日 - JFEスチール発足、同社の知多製造所に。
  • 2004年12月 - スパイラル鋼管の生産を終了[2]

脚注

  1. ^ 2007年度の粗鋼生産量は年間9千トン(JFEスチール全体の0.03%)であった。鉄鋼新聞社による。
  2. ^ 「知多製造所 スパイラル鋼管製造ラインの休止について 」、JFEスチール2004年12月2日付ニュースリリース

参考文献

  • 『川崎製鉄五十年史』、川崎製鉄、2000年

外部リンク