ADSR
ADSR は、シンセサイザー等、電子楽器の制御信号を設定する機能のひとつ。エンベロープ・ジェネレーター (Envelope Generator) によってコントロールされるパラメータで、Attack、Decay、Sustain、Releaseの頭文字である。
概要
シンセサイザー(アナログシンセサイザーの場合)の3つの音声信号の機能 (VCO/VCF/VCA) は、任意の電圧で制御する事により作動するが、演奏情報(通常は鍵盤の鍵を押す/離す事を指す)を受け取る事で、その演奏に追従した時間的変化の制御信号を作り出し、それを音声信号の機能に送るのがエンベロープ・ジェネレーターの役目になっている。
機能
ここでは例として、VCAに制御信号を送信した場合の効果について述べる。
- Attack(立ち上がり)
- 演奏開始からその音声の最大音量に到達するまでの時間を設定するパラメータ。0秒に設定すればいきなり最大音量になり、ピアノやギター、或いは打楽器の音声と同じになる。
- Decay(減衰)
- Attackで到達した最大音量から、Sustainレベルに移行するまでの時間を設定するパラメータ。
- Sustain(減衰後の保持)
- Decayの後、演奏が続いている限り出る音量を設定するパラメータ(これだけは時間的変化ではなく量の設定パラメータとなっている)。
- Release(余韻)
- 演奏を終了した(鍵盤の鍵を離した)時点から、音が鳴り終わるまでの時間を設定するパラメータ。ピアノなどの生楽器でのSustainに相当する。
ADSR以外のパターン
パラメーターの数はA、D、S、Rの4つという場合が多いが、コルグの一部の機種のように5つのものや、オーバーハイムの初期の機種では3つというものもあり、必ずしも4つではない。
関連項目
- シンセサイザー
- アナログシンセサイザー
- 包絡線検波 - ADSR検出回路