青森県住宅供給公社巨額横領事件

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青森県住宅供給公社巨額横領事件(あおもりけんじゅうたくきょうきゅうこうしゃきょがくおうりょうじけん)とは2001年に発覚した横領事件。

概要[編集]

青森県住宅供給公社の元経理担当主幹(以下A、逮捕当時44歳)が、1993年2月から2001年までに約14億5900万円を横領し、2001年度仙台国税局税務調査を切っ掛けに発覚した。

横領は1993年2月から始まったが、公訴時効のため最終横領額は不明となり、1994年10月以降の約14億4600万円に対し横領罪起訴された。Aは青森市飲食店で知り合ったチリ人女性アニータ・アルバラードと結婚した1997年から横領額が急増し、約11億円がチリ人妻に渡ったとされる。

2002年、青森地裁は懲役14年(求刑は15年)の実刑判決を言い渡した。住宅公社はAに対し民事訴訟を起こし、1993年2月以降の横領額全額の賠償を命じる判決が出た。公社はアニータがサンティアゴ郊外に建設した自宅や、Aの青森の自宅を売却し、裁判費用や弁護士費用が嵩み、最終的に5300万円程を回収した。

Aは山形刑務所に服役し、2016年に満期出所後[1]、公益社団法人日本駆け込み寺の経理を担当していた[2]

しかし、2019年5月23日号の週刊新潮によると、「2019年3月8日以降、行方をくらまし、金庫に入っていた約7万円が見当たらないほか、使途不明金が14万円あることも判明したと報じた[3]。週刊新潮の取材に対し、Aはお金の持ち逃げ疑惑を否定し、青森県への返済についても、「余裕ができたら、月1万円ずつでも払おうと思っているが、生活に余裕がないので法的に問題ない」と述べている。

青森県住宅供給公社は2009年3月31日に解散し、Aに対する債権は青森県に譲渡された。

脚注[編集]